おせち料理に挑戦したいけど、難しそう…。そんな人におすすめなのが、シンプルな手順でつくりやすい、大原千鶴さんのおせち。
ここでは、食卓を華やかにする煮豚と甘塩鮭のみそ漬けの2品を教えてもらいました。
食卓を華やかにしつらえ、新年の訪れを祝います
すべての画像を見る(全7枚)京都で料理旅館を営む家庭に生まれ育った大原さん。
「母が忙しかったため、料理は祖母から習うことが多かったですね。だから、私のおせちは祖母譲りの味なんです」
元日の1週間前から少しずつ準備を始め、20品くらいをつくるのが恒例。お正月に訪ねてくるお客さまには、気兼ねなく食べてもらえるよう、家族用とは別に、小さなお重を用意します。
「最後まで食べつくすことを大切にするのが、京都の食文化。型抜きしたあとのニンジンもなますにしたりと、ムダなく使いきります。たまにはゆっくり年末を過ごしたいとも思いますが、やっぱりおせちづくりがないとものたりない(笑)。家族も楽しみにしてくれているので、つくりがいがあります」
●煮豚
家族が大好きな大原家の定番。こんがり焼いて漬け込む方法なら手間いらずで、驚くほどしっとり!
【材料(つくりやすい分量)】
・豚肩ロース肉(ブロック) 400~500g
・塩、コショウ 各少し
・だし汁 2カップ
・A[しょうゆ、みりん 各160ml]
・木の芽、練り辛子 各少し
【つくり方】
(1) 豚肉は室温に戻し、塩、コショウをふる。オーブンは220℃に温めておく。
(2) 天板にクッキングシートを敷き、豚肉を脂身が上になるように置き、オーブンで30~40分焼く。
(3) 鍋にだし汁を入れて煮立たせ、Aを加えてひと煮立ちさせる。火を止めて、(2)を加えて漬ける。粗熱がとれたら漬け汁ごと保存袋に移し、冷蔵庫でひと晩おく。
(4) 薄切りにして器に盛り、木の芽を散らして練り辛子を添える。
[全量1116kcal]
煮込まず、焼いてから漬け汁で味をしみ込ませるので、肉がかたくなりません。保存袋を使うと肉にまんべんなく味がつきます。
切る前に繊維の向きを確認しましょう。繊維を断つように切ると、パサつきがちな豚ロースが、ハムのようなしっとり食感に。
●甘塩鮭のみそ漬け
混ぜるだけの手軽なみそ床でも、味わいは本格的。サワラや銀ダラでつくってもおいしく仕上がります。
【材料(つくりやすい分量)】
・甘塩鮭(半分に切る) 2切れ
・A[白みそ(西京みそ) 200g]
・みりん 大さじ1~2
・ユズ(くし形を半分に切る) 適量
【つくり方】
(1) ボウルにAを入れ、ゴムベラでよく混ぜてみそ床をつくる。
(2) 保存容器などにみそ床を薄く広げ、清潔なガーゼ(または厚手のペーパータオル)を敷いて鮭を並べる。上からガーゼをかぶせて残りのみそ床を平らに広げる。ラップをかけ、冷蔵庫で3日~1週間おく。
(3) 鮭をみそ床から取り出して食べやすく切り、魚焼きグリルに並べ、弱火で焦がさないように4~5分焼く。器に盛り、ユズを添える。
[全量368kcal]
※みそ床は2~3回使えます
みそ床は鮭に直接塗らず、ガーゼの上から塗ります。みそをぬぐう手間が省け、焼いたときにも焦げつきにくくなります。
みそ床から少し水が出ていたら、しっかり漬かっている証拠。漬ける日数は好みで。