●Q:退職金の賢い使い方は?

【A:1年は使わずに様子見を。すぐに運用はNG!】

通帳、年金手帳をみて悩む女性
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退職金をもらったら1年ぐらいは普通預金において様子を見ましょう。退職金としてまとまった金額を受け取ると必ずと言っていいほど「運用しませんか」と金融機関から熱心にセールスされますし、実際に運用を始める人も多いです。ただ、退職した時期が運用を始めるのにベストな時期とは限りません。投資を始めるのは相場を見きわめてからでも遅くはないのです。

また退職直後は月々の収支も安定しないもの。1年間やりくりしてみて「黒字家計」で貯蓄も十分あるようなら運用すればいいし、逆に「赤字家計」の場合、運用は厳禁です。急がなくても運用は逃げませんし、自分たちの“やりくり力”を踏まえて、相場をよく理解したうえでトライしましょう。

・平均退職金額(男性)

大学卒:2230.4万円
高校卒:2017.6万円

同一企業に定年退職するまで勤務した場合(満勤勤続)の平均退職金額。資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業380社を対象に調査。厚生労働省(中央労働委員会)「令和3年賃金事情等総合調査」の勤続年数、学歴別定年退職者の平均退職金額(男性)より

●Q:退職金がありません。どう備えたらいい?

【A:会社員はiDeCo、自営業者は小規模企業共済で備えを】

会社員の場合は「iDeCo」(個人型確定拠出年金)を最大限活用しましょう。iDeCoには、(1)かけ金(積立金)が全額所得控除、(2)運用益が非課税、(3)受け取るときに公的年金等控除などを利用できるという3つの税制優遇があります。iDeCoは月々5000円からスタートでき、上限額は月間最大2万3000円(企業年金の加入有無によって異なる)。

自営業者の場合は「小規模企業共済」という選択肢もあります。かけ金を毎月積み立て、退職や廃業時に共済金を受け取る仕組みです。かけ金は月1000円〜7万円まで500円単位で自由に決められ、加入後も増額や減額が可能。かけ金はすべて所得控除の対象となり、共済金にも税制優遇があります。

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