病院に行くほどではない不調を医師が解決! 今回は、「寒い時季に、気分が落ち込み引きこもりがちになってしまう」というお悩みの原因と対策を、ひめのともみクリニック院長で心療内科医の姫野友美先生が教えてくれました。
寒い時季は気分が落ち込み、引きこもりがちになります
健康に関するお悩みを、読者が寄せてくれました。
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寒い季節は、もの悲しくなり気分が落ち込みます。眠くてやる気も出なくて、休日は家にこもりがち…。自分でできるいい方法があれば教えてください(42歳・石川県)
●「ウインターブルー」の可能性が。大きな原因は、太陽光の不足
もしかしたら「冬季うつ」かもしれません。10月頃からうつ症状が始まり、春になると元気になっていくので「季節性気分障害」や「ウインターブルー」とも言います。また、一般的なうつは不眠と食欲減退が特徴ですが、冬季うつは寝ても寝ても眠かったり、食欲が増して、体重も増加傾向になるのが違いです。
大きな原因は、太陽光の不足。冬は日照時間が短く、日光を浴びる時間も少なくなります。すると心を安定させる役割のあるセロトニンの分泌が減り、気分が落ち込みやすくなります。セロトニンからできる睡眠ホルモンのメラトニンの分泌も減るため、睡眠リズムが狂いがちに。また日光の照射が少ないことで、ビタミンDの合成も減ってしまうのです。ビタミンDは、セロトニン調節に必要な栄養素で、近年注目されています。
●朝起きたらすぐにカーテンをあけて朝日を浴びるのが効果的
手軽で効果的なのは朝起きたらすぐにカーテンをあけて朝日を浴びること。できれば15分ぐらい日光に当たりましょう。
また適度な運動もセロトニンを増やします。運動が難しければイルミネーションを眺めに行くなど、気分が上がる場所へ出向くのもいいでしょう。
食生活も見直しを。というのも、冬季うつの傾向として、無性に甘いものや炭水化物が食べたくなるからです。ここから抜け出すには、セロトニンをつくる成分であるタンパク質、ビタミンB群、鉄、ビタミンDを意識してとるようにしましょう。肉や魚、卵に多く含まれます。これらに気をつけても症状が改善しないときは、心療内科に相談をしてください。