●お金のプロが気になる老後のお金の不安を解決!

そろそろ老後が気にかかる世代は、生活や住まいにかかるお金の疑問や悩みが山積み。「大丈夫、必ず解決策は見つかります」と話すファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが、そんな老後のお金のお悩みに答えます。

●Q:夫が亡くなったあとの生活はどうなるの?

未亡人
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コロナ禍でパートを辞めました。新しい仕事を探すつもりですが、「夫が亡くなったら生活はどうなるの?」と急に不安に。遺族年金はどれくらいもらえますか?(あこさん・59歳・専業主婦)

A:遺族年金は厚生年金の3/4がもらえる。「おひとりさま力」は今から身につけておくこと

夫が亡くなると、「夫の老齢厚生年金の4分の3」の遺族年金が出ます。仮に今、夫婦で年金受給額が21万8000円の場合、夫亡きあとの年金額は自分の年金を含めて13万1500円(下記参照)。

年金

夫関連の出費も減るのでやりくりは難しくないはずですが、問題は寂しさから友人と外食や旅行に出かけて貯蓄を使い込む人が多いこと。今から計画的に貯蓄を使う習慣をつけたり、お金をかけなくてもひとり時間を楽しめる「おひとりさま力」を磨いておきましょう。

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知っておきたい「老後のお金」。夫が死んだら遺族年金はいくらもらえる?

 

●60代からのお金の使い方。子どもにお金を残すより大切なこと

人生が激変する60代という年齢、いろいろ備えている人も多いはず。でも、「60代からやりたい放題に生きるほうがいい」と提唱するのは、話題の書籍『60歳からはやりたい放題』(扶桑社刊)を上梓した精神科医の和田秀樹さん。60代を幸せに過ごすためのお金の使い方について教えてくれました。

老後イメージ画像
お金は残すだけが子どものためじゃない

〈子どもにお金を残すよりも投資しよう〉

かわいい子どもや孫に、今ある資産をなんとかして残してあげたいと考える人も少なくないでしょう。その場合は、ぜひ子どもや孫に「投資」してはいかがでしょうか。

言葉を選ばずにいうと、日本は、お金持ちであればあるほどに、子どもが「バカ息子」「バカ娘」になりやすいシステムが残っています。

お金がある家ほど、子どもをエスカレーター式の大学の付属校に幼少期から入学させ、大学まで受験を知らずに育てるケースが非常に多いのです。結果、ろくに勉強もできず、受験戦争も知らず、競争の経験もないまま大学を卒業し、社会に出ることになります。たくさんお金を払うことができれば、それほどハードな勉強をしなくても、競争の経験をしなくても、ある程度のステイタスを持った大学に進学することが可能なのです。

ハーバードやオックスフォード、ケンブリッジに付属高校はないように、世界中の先進国にはこうした現象はありません。お金をかけて、バカで世間知らずの子どもを育てるのではなく、しっかりと子どもに投資をして、その子が立派な社会人になれるようにするのが親の務めではないかと考えます。

たとえば、子どもに相続させるより子どもの事業を支援して、相続させるお金をその事業に投じてみましょう。もし子どもが事業に失敗して1円もなくなったとしても、ただ漫然とお金を相続させるよりは、社会を生き抜く力が身につくでしょうし、全体で見れば遺産としてお金を動かさずにいるより、社会は発展します。

また、海外の大学に進学させる留学費用にお金をつぎ込むのもいいでしょう。

この国には様々な社会保障制度があります。子どもが一文無しになったとしても、贅沢な暮らしは無理でも、絶望するような人生を送ることにはならないはずです。

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60代からの幸せなお金の使い方。子どもにお金を残さない、介護もお願いしない

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