●映像を確認してわかった驚きの事実
次の日になって、映像を確認した。ほとんどの時間はなにも映っていないか、自分たちのすがたが映っている。早回しにしてどんどん見ていくが、やはり変わったところはなにもない。
映像が夜中になってリビングの電気が消えると、真っ暗でほとんどなにも見えない。これ以上見てもしょうがないかと、集中力が切れてくる。つぎの瞬間、ふっと部屋の一部が一瞬明るくなった。
「えっ……」
急いで一時停止して、もう一度見直す。今度は通常の速度で。明るくなったのは、冷蔵庫があけられて、そのなかが照らされたからだった。
なにものかが冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の光が、その正体を照らす。それはロボットだった。ロボットが冷蔵庫からプリンを取り出したのだ。
「食べてる……」
ロボットがプリンを一心不乱に食べていた。プリンだけじゃない。冷蔵庫のなかにある食べものをつぎつぎと。まるでお腹をすかせた虫のように。その異様なすがたに、思わず凝視してしまった。
はっとなって振り返る。うしろにロボットが立っていた。
「オナカガ、スイタ、デス」
その後、食欲に目覚めたAIが社会問題になるのは、まもなくのことだった。
【編集部より】
最後、人間が食べられていませんか? あまりバイオレンスな回答はやめてください。それに人類がAIに食べられてしまうのでしたら、悩みどころじゃなくなってしまいます!
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