持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「社会貢献につながる“買い物”」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。
すべての画像を見る(全6枚)お菓子・下着・花…「買い物」が社会貢献に
前回のコラムで、スーパーで見つけた“エコな取り組み”についてご紹介しましたが、今回はまたちょっと違う仕組みで、私たちがものを買うことで社会課題の解決や寄付につながる方法についてご紹介します。
皆さんは、商品パッケージや通販サイトなどに「お買い物1点につき〇円を寄付」などと書かれているのを見たことがありませんか? これは、商品の売り上げの一部を寄付に当てる「コーズマーケティング」とよばれる社会貢献の方法で、最近、結構あちこちで目にします。もともとはコーズリレーテッドマーケティングと言われ、コーズ(cause)には「理由、動機・社会的な信念・大義」という意味があります。
●コーズマーケティングの仕組み
フィリップ・コトラーという経営学者が提唱したもので、時代とともにかわるマーケティングの手法の第4段階「自己実現欲」を満たす「マーケティング4.0」が背景にあるようです。どういうことかというと、これからは単に商品を認知させて買ってもらうのではなく、お客さんの自己実現をあと押しする商品やサービスが求められている時代になっているというのです。
好きなものを買うこと自体も喜びですが、それがさらに社会貢献につながることで自己実現、人によっては誇りを感じる…また、サービスを提供する企業もファンを増やせたりブランディングにつながって、寄付を受ける団体もうれしい。そんな3者がハッピーになるような仕組みなのです。
身近にある「寄付つき」商品例
実際にどんな商品があるか、見てみましょう。
●お菓子
たとえばこちらの森永製菓のチョコレートの裏面には、「1チョコ for 1スマイル」という表示があります。「あなたが食べると、もう一人がうれしい」とあります。すてきなメッセージですね。ガーナなどの子どもたちが安心して教育を受けられるように、商品の売り上げの一部を国際NGOプラン・インターナショナルと日本のNGO「ACE(エース)」に寄付しているそうです。
●衣類
また、下着メーカーのワコールは、乳がんの早期発見・早期治療・早期診断の大切さを伝える「ピンクリボン活動」の一環として、毎年期間をもうけ、全国のワコール売り場及びウェブストアの売り上げの一部をピンクリボン活動団体である日本対がん協会などに寄付しています。採寸、試着するだけで寄付につながるんです!