ここ最近、あなたは心から「熟睡できた」と思える日はありましたか? 50歳以降になると、更年期などを迎え睡眠に悩む方も多くいます。睡眠は、心身ともに影響を与えるもの。当然、自律神経を整えるためにも欠かせない習慣です。

自律神経研究の第一人者である、順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんの著書『50歳からの自律神経を整える生き方』(扶桑社刊)の中から、「自律神経と睡眠の関係」や効果的な対処方法についてご紹介していきます。

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忙しい現代人の中で一体どれほどの人が理想的な睡眠をとっているでしょうか? 近年、睡眠に関する本が多く出版されているのは、それだけ、人々にとって睡眠がスムーズではないという証明かもしれません。

 

●週に一度は良質な睡眠デーを設け、コンディションを整える

睡眠のゴールデンタイムは午後10時~午前2時と言われています。その時間帯に眠ると、成長ホルモンが活性化して一日の疲労を十分に回復してくれます。しかし、夜10時にベッドに入るのは難しいので、ゴールデンタイムの時間帯に1時間でも重なるように眠ることを心がけるとよいと思います。

睡眠時間が短い日が続いたり、睡眠の質が悪かったりすると、副交感神経が高まらないため、疲れが抜けず、ぐったりした状態になります。翌朝、交感神経だけが異常に高まった状態で起きるので、ドキドキと動悸がしたり、緊張したり、イライラが募ったり、コンディションは最悪で、パフォーマンスはガタ落ちです。

ですから、どんなに忙しくても、睡眠も仕事のうちと考えて、週に一日は良質な睡眠を7時間とる「睡眠デー」を設けることです。できれば平日がいいでしょう。

その日は残業せず、飲み会も控え、家に直行します。ゆっくりとお風呂に入ったあとはテレビもスマホもやめて、眠る準備を整えます。そのように意識的に睡眠デーを設けることで心身がリセットされ、副交感神経がきちんと働き始めるのです。

休日に睡眠デーを設ける場合は、昼間、ウォーキングなど外光のもとで適度な運動をするとよいでしょう。するとセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。このセロトニンが夜眠るためのメラトニンを生成するので、スムーズに眠りにつくことができるというわけです。

睡眠デーを設けてみて、たとえ普段のサイクルとの違いから、なかなか眠りにつけなかったとしても、体を横にしているだけで心身が休まり効果が得られます。徐々に体を慣らしていくことで、睡眠デーが身についていくことでしょう。