和食に欠かせない調味料である「みそ」は、1300年以上にわたり、日本人の食生活の中で育まれ、発展してきました。 ここでは、農林水産省が運営する情報サイト「Let's!和ごはんプロジェクト」で江戸料理・文化研究家の車浮代さんが紹介している、江戸時代のみそのお話と、今食べてもおいしい当時のレシピを掲載します。
1300年以上にわたり、日本の食生活を支える「みそ」
平安時代にはご飯の上にのせたり、酒の肴として食したり、魚をみそ漬けにする保存方法が生まれました。室町時代には、現代のみそ料理の基本がつくられたといいます。
みそが調味料として活躍し始めたのは江戸時代。当時から健康食品として認知されていたようです。
健康指南書には「みその成分は体にやさしく、胃腸の働きを補う・血行を良くしてさまざまな毒を外に出す・血の巡りをよくする・髪を黒くして肌を潤す……」と記されています。江戸時代からデトックス効果を認められていたのには驚きですね。
「Let's!和ごはんプロジェクト」で江戸時代の調味料についてもっと知る
江戸時代、1782年に刊行された豆腐のレシピ本『豆腐百珍』は爆発的な人気を呼びました。掲載されている料理は、調味料 にみそやしょうゆを使い、シンプルな味つけが多かったようです。
ここでは、白みそを使った、江戸時代の豆腐料理レシピをご紹介します。
●芝蘭(しらん)豆腐
『豆腐百珍 続編』の七十五番で紹介されている料理です。練り白ゴマと白みそと長ネギでつくったタレは、いろいろな料理に活用できる万能ダレです。料理名の芝蘭とは、霊芝(れいし)というキノコと蘭の花のことで、香りのいいもの=優れたものの例えです。(調理時間 約15分)
材料(2人分)
- 木綿豆腐 1丁
- 練り白ゴマ 大さじ1
- 白みそ 大さじ1
- 酒 大さじ2(30ml)
- 長ネギのみじん切り 1/2本分
- 大根おろし 50g
- 赤唐辛子(小口切り) 少々
【つくり方】
(1) 練り白ゴマと白みそを混ぜ、ネギを加え、酒でのばす。
(2) (1)を小鍋に入れて弱火で煮る。
(3) 木綿豆腐は熱湯でゆでて温める。
(4) (2)を器に入れて温めた豆腐を置き、軽く水きりした大根おろしをのせ、唐辛子を飾る。
「Let's!和ごはんプロジェクト」は、忙しい子育て世代に、子どもが身近・手軽に「和ごはん」を食べる機会を増やしてもらうため、企業等の新たな商品・サービスの開発・販売、子ども向けメニューの展開等を促進するための官民協働プロジェクトです。
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