●人は親になると、急に「一人前」になった気になる

毒親
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世の中には「回避依存脱走者」と呼ばれる人々がいますが、掘り下げて話を聞くと、ネグレクトタイプの親に育てられたパターンが多いようです。回避依存脱走者とは、他者と自分の距離が近づくと怖く感じたり、面倒だと感じてしまい、誰とも深い信頼関係を築けない人のこと。もちろん恋愛にも結婚にも向かず、通常の友情関係を維持するのも難しくなります。

人は親になると、どういうわけか急に「一人前」になった気になるし、世間からもそのように期待されます。そうすると自分だけの主観で(多くは自分自身の幼少期の経験に基づいて)子育てがいきなり始まります。これが、毒親は世代を超えてループすると言われるゆえんなのです。毒親の親はまた毒親。毒親に育てられると、その経験値しかないから、当たり前に自分の子どもに繰り返す。例は過激ですが、親から子どもへの暴力も同じロジックです。叩かれて育った人は、自分の子どもにもつい叩いてしまう。それしか知らないからです。

●ほかの親の子育てを知る「親の学校」が必要

そういう例をたくさん見て私が思ったのは、「親の学校」が必要ということです。自分が経験した一つの例だけをもとに子育てするなんて危険すぎるのです。たくさんのサンプルを見て、ほかの親はどんなふうに子どもを育てているのか? 海外の常識は? 広い視野でまず子育てというものを俯瞰して見て、そこから自分なりの正解を叩き出し、実行に移す。それでも自分自身の経験は強烈だから、そちらに引っ張られるのですが、なにも学ばないで子育てを開始するよりはいいでしょう。

ちなみに手前味噌ではありますが、私自身は毒親とは正反対の天使の親に育てられました。母は自分の理想を押し付けることが一切なく、子どもたち全員の個性をそれぞれ尊重し、自由にのびのびと育ててくれました。そんな母に育てられたせいもあって、私は毒親察知能力が結構高いと自負しています。

友達の親が明らかに自分の自慢のために、子どもに受験してほしいとき、結婚してほしいとき、就職してほしいとき。あまりにうちの親と違うのですぐに「毒親発見!」となるわけです。もしあなたが「自分は毒親かも?」と思った場合、少し視野を広げて「ほかの人はどんな子育てをしているだろう?」とリサーチしてみてください。

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