マンションで設置するなら、「リビングとの段差をなくす」「取りはずしできる」ように
「マンションのバルコニーの床は防水塗装されていて、大規模修繕時など塗り替えのタイミングがやってきます。ですからウッドデッキはガチッと固定せず、取りはずし可能な状態にしておく必要があります」と中田さん。
また、リビングの床となるべく段差をつくらず、フラットにつくることもポイント。リビングの延長として楽しめ、より広がりも感じられるようになります。
一戸建てで設置するなら、デッキの下の基礎をしっかりつくり、風通しもよくする
すべての画像を見る(全11枚)木製フェンスで囲ったり、上の写真のように駐車場の上に設置するなど、戸建ての場合はさまざまなウッドデッキの楽しみ方がありますが、「大切なのは基礎をしっかりつくること」(中田さん)。
地面にウッドデッキを支える束(つか)を立てる際には、コンクリートの平板や束石などを用いますが、直接載せると雨が降ったときに木口から水を吸ってしまうので、束石の上に5~10㎜くらいの敷きゴムを配してから束柱を設置するとよいそうです。
「木ではなく鋼製束を用いる場合も。デッキの下は風が抜けやすい設計にして、デッキ材は5㎜以上の間隔をあけて張ります」(田中さん)。
2階バルコニーをリビングと一体化したウッドデッキの例
●DATA
- O邸 神奈川県
建物:木造2階建て(新築)
家族構成:夫婦+子ども2人
ウッドデッキ:面積6㎡(1階)、8㎡(2階)
ウッドデッキ工事費:約35万円
コンパクトな敷地に新築した2階建て住宅。2階リビングにはバルコニーを設置し、フローリングとウッドデッキをつなげて広がりを演出しています。手すり兼目隠しのフェンスを設けてプライベートな空間を実現。
視線がウッドデッキに伸びることで、コンパクトなリビングが広く感じられます。
芝生の庭とつながる1階のウッドデッキは、子どもたちの遊び場や休憩スペースに。デッキの素材には、どちらもイタウバを採用しています。イタウバはハードウッドのわりにやわらかく、施工しやすいのが特徴です。
1階にもバルコニーと同じイタウバを使用したウッドデッキを設置し、リラックスできる空間に。
建材はどう選ぶ?特徴を紹介
ウッドデッキの印象を大きく左右するのは、やはりデッキの素材。なにを選ぶかによって雰囲気や使い心地、価格も違ってきます。硬くて耐久性が高いハードウッド、やわらかくて加工がしやすいSPF材、樹脂を使用した人工木といった種類があり、それぞれにメリット、デメリットがありますので、予算や用途、設置する場所の条件などに合わせて選びましょう。
●ハードウッド
ウリン、イペ、セランガンバツなどの種類があり、高級感が魅力。硬くて施工しづらいけれど、そのぶん丈夫で長持ち。保護塗料などのメンテナンスも不要なので、木の自然な質感を楽しめる。デメリットは価格が高いこと。
●SPF材
2×4や1×4といったDIYでよく使われる木材。ハードウッドに比べて安価で手軽。やわらかいので切るのもビスを打つのも簡単で、素人でも扱いやすいのが魅力だ。ただ、耐久性は低く、保護塗料などの定期的なメンテナンスは必須。
●人工木
樹脂などでつくられているので、メンテナンスフリーであることが最大の魅力。ささくれもなく、半永久的に使用可能。ビスを使わずにジョイント金物で簡単に施工できるタイプのものもある。デメリットは経年変化を楽しめないこと。