●いよいよ最終手段へ…

成功したかに見えたが、その後も全く臭いは消えず、おかしいなあと思っていたところ、

「今もよくここで大きな犬がおしっこしてるよ」

という少年の目撃情報が!!! なぬー!

まあ、毎日私がホースで水を流せばいいだけのことなのかなと弱腰になる。実際、東京はコンクリートと住宅だらけなので、犬さまにとって安寧のトイレなんて、どこにもないではないのではないか。

「そんなことないよ。公園とか、家でさせるとか方法はいくらでもあるよ。マナーを守らない飼い主ってたまにいるから、私達も困ってるんだよね」

と、犬好きの友人。

よし決めた。犬愛好家がこう言うなら、心を鬼にして私はちゃんとしたプレートを買います! あの派手で仰々しいやつを、つけてみよう。

犬の看板
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届いた赤と白と黒の、いかにも「注目!」みたいな看板をレモンの木の下の方にかけてみる。縦長の板で、手書きの看板も立てかけてみた。我が家の景観が台無しだ。

「うわ、何この看板!『おしっこさせないで』だって~!」

隣の少年や、子どもたちが看板を見てゲラゲラ笑っている。はずい。はずいわ。

でも、効果てきめんだったと見え、夏が終わり、秋になる頃にはすっかり臭いがしなくなっていた。

あの犬さまたちは、どうしているだろう。

私も子どもの頃は犬を飼っていたが、彼らはマーキングの習性がありくんくんと地面をかいで必ず同じ場所でおしっこをしていた。ということは、新しい散歩コースを開拓してそちらで毎日してるのかな。他の家に迷惑かけてなければいいな。人間も動物も虫も、生きているものはみんな排泄するから、やっぱり飼い主が責任をもって、地域みんなが気持ちよく暮らせるようにしなくちゃいけないと思う。

 

あれ、またなんか臭い……。

え!!! 庭の鉢の中に、おしっこではなく、大きい方が!!!

今度はネコさまだった。私の闘いはまだまだ終わらなさそうだ。