ハウスメーカーのなかには、ローコスト住宅を売りにしている会社もあります。はたして、その金額で満足のいく家が建つのか気になるところです。二級建築士で一級建築施工管理技士、宅地建物取引士の資格を持つ日刊住まいライターは、7年前にハウスメーカーで総額1770万円の家を建てました。実際に住んでみてどうだったか。プロの目でレポートします。

外観
7年前、雪の積もる冬の晴れ間をぬって行った筆者の家の上棟作業
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延床面積約34坪、寒冷地仕様のわが家。総額は1770万円

外壁

筆者は、7年前にハウスメーカーで家を建てました。建築費用の総額は、諸費用コミコミで約1770万円。玄関ポーチなど建物外部を含む建築面積は、117.32㎡(延床面積は、111.62㎡)でしたので、建築面積あたりの坪単価は、約50万円になります。

物価高の影響もあって現在の状況とは若干価格には乖離があるかもしれませんが、ハイグレードな住宅が一般的に坪単価100万円前後になることを考えると、わが家の価格帯は一般的にローコスト住宅と呼ばれる部類に入ります。

建築した家の概要として、当時は旧省エネ区分でしたが、現在の省エネ地域区分でいうところの「Ⅲ地域」の仕様で建てています。

※省エネ区分とは、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令によって定められた地域区分で、自治体ごとに等級が定められている。寒冷地である北海道の北部をⅠ地域として温暖な南の沖縄をⅧ地域とする8つの地域区分がある

 

寒冷地仕様
隣家のプライバシー保護のため、画像の一部を加工

「Ⅲ地域」は寒冷地仕様となるので、標準仕様でALL樹脂サッシlow-e複層ガラス(写真上)を使用。断熱材も一般地よりも上の基準をクリアできる装備になっています。ですから必然的に価格も、一般地や温暖地より自然とコストも割高に。

 

ローコスト住宅でも長期優良住宅を取得!

わが家の仕様をもう少し説明すると以下のようになります。

・木造在来工法でベタ基礎が標準仕様
・浴室は浴室乾燥機つきで、浴槽は1818サイズ(180×180cm)
・キッチンはIHで、食洗機つき
・太陽光発電などをオプションで採用したオール電化

標準で長期優良住宅の認定が取得できる仕様。ですから申請料のみオプションとすることで、長期優良住宅の認定を取得することができました。