アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、現地で話題のフードやライフスタイルを紹介してもらいます。
今回は、ハロウィーンの風物詩、「パンプキン・カービング」についてです。
街にあふれるパンプキン!ジャックオーランタンをつくろう
10月のシアトルの街を見渡せば、ハロウィーン・デコレーションの定番、オレンジ色のパンプキン(西洋カボチャ)があちこちに飾られ、雰囲気を盛り上げています。
店先にはパンプキン・アート、住宅街の家には大がかりなパンプキン・モンスターが飾られ、近所の子どもたちが「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれないとおどかすぞ)と言いながら、店や家を回るハロウィーン当日の大イベント、トリック・オア・トリートに備えます。
なかでも伝統的なハロウィンの装飾と言えば、「ジャックオーランタン」。パンプキンをくり抜いて皮に彫刻を施し、中にロウソクをともして、ランタンにするというものです。
ハロウィーン本番の1、2週間くらい前から用意しておく人がたくさん。
玄関先に置いておけば、「ハッピー・ハロウィーン! お菓子を用意していますので、わが家にもトリック・オア・トリートに来てくださいね」という意思表示にもなります。
●パンプキン・カービングのイベントがたくさん
このジャックオーランタンづくりは、彫刻刀や専用ナイフのセットがないと、なかなか難しいもの。
でも、ここアメリカでは家に用意がないという人でも大丈夫! ハロウィーンの時期には、たくさんのパンプキン・カービング・イベントが催されます。
ミュージアム、コミュニティー・センター、ファーム、教会などで開催されるイベントに参加すれば、道具を借りて、大勢の人と一緒にパンプキン・カービングができます。
わからないことがあっても、主催者や周りの人に聞けばすぐにわかるので、初心者にはとくにありがたい環境です。
パンプキンは主催者が用意している場合もありますが、自分で持参する場合でも、スーパーマーケットに行けば山積みで売られています。郊外のファームに行って、広大な畑から直接、好みのパンプキンを探す「パンプキン・パッチ」も楽しいものです。
ジャックオーランタンの基本的なつくり方を紹介しますね。
●ジャックオーランタンのつくり方
1.ヘタの周りを直径10センチくらい、丸くカットする。フタのようにして、あとから戻すので、はみ出た繊維をきれいに処理しておく。
2.パンプキンの中に手をつっ込み、タネや繊維を外にかき出して、きれいにする。最初はスプーンなどで大まかに取り除き、残りは専用のヘラでガリガリと削るように、こそげ取る。
3.皮にデザインの下描きをする。点描のようにキリで穴をあけて下描きをすると、ペンで描くより、あとが残りにくので、よりきれいな仕上がりに。
4.下描きに沿って、彫刻する。専用ナイフで穴をあけたり、皮の表面だけを削って白い部分を残したり、思い思いに工夫して楽しむ。
5.内側にロウソクを入れて、火をともし、フタをしてでき上がり!
●子どもも大人も楽しめるアクティビティー
今年、わが息子も近所のイベントに参加してパンプキン・カービングに初挑戦!
ナイフ使いも意外と上手で、親の手を借りつつ、三角の目に口裂けの立派な(?)ジャックオーランタンが完成しました。
ファームで息子が自分で選んだパンプキンはちょっと大きかったため、種と繊維のかき出しは途中で飽きてしまい、ほぼ母の作業となりました。小さい子どもは、小さいサイズのパンプキンで十分かもしれません。
ちなみに、この種は、日本でも健康食品として知られる「パンプキン・シード」。カリカリになるまでオーブンで焼き、塩を振ると、酒のつまみにもなります。
周りを見ると、伝統的な顔のデザイン以外に、子どもに人気のキャラクターやコウモリ、モンスターを模したデザインもありました。
より複雑なデザインにしたい場合は、デザイン画をパンプキンにはりつけて、紙の上からデザインのアウトラインに沿って細かく穴をあけ、下描きをするとうまくいくようです。
デザインのテンプレートをオンラインでダウンロードし、印刷する方法もあります。
また、大型スーパーマーケットなどで安く売っているパンプキン・カービング・セットには、目や口などに使える、さまざまな形の専用穴開け型があり、スタンプを押すようにして、下描きのデザインが簡単にできます。
注意点は、生ものなので、当然腐るということ。つくるのが早すぎると、ハロウィーン当日を待たずして、無残な姿になる可能性も。
わが家のジャックオーランタンは、どうでしょう? ハロウィーン当日にロウソクをともせると良いのですが…。
日本の皆さんも、ハッピー・ハロウィーン! 仮装にデコレーションに、ハロウィーンを楽しんでくださいね。
【Norikoさん】 アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!!世界の小学生』(角川つばさ文庫)