●すべてのゲームには思考力を鍛える「タスク」がある

例えば、僕は有名なRPGゲームの『ドラゴンクエスト』シリーズをプレイするときには常に「次に○○をして、そうしたら××の町へ行けるようになって…」と、そのあとの動きや筋書きを想定しながら動くようにしています。

また、戦闘になるようなゲームでは、常に次の一手で何を打つべきか、最適解は何かを模索するようにしています。例えば、「いま自分の体力は残り少ないが、敵の体力も相当少なくなっているはず…。とはいえ、ここで自分がやられるとまずいから、いったんここは防御に回って、次の隙ができたところで一気に畳みかけてしまおう」というような具合です。

パズルゲームにしても、音楽ゲームにしても、どんなゲームでもタスクが存在しないゲームはありません。「魔王を倒す」「町を発展させる」「このステージをクリアする」などなど、すべてのゲームには完了すべきタスクがあります。

もちろん、これらのタスクを漠然とこなすだけでは、全く能力は上がりません。これはきっと仕事でも同じだとは思いますが、言われたことを何も考えずにハイハイとやっているだけでは成長しないように、「何も考えずにただ出た指示に従うだけ」というようなプレイの方法では「たかがゲーム」といわれてしまっても仕方ないでしょう。

しかし、そこに少しでも思考するプロセスが挟まった瞬間、そのゲームは、ゲームであると同時に「思考力トレーニング装置」に早変わりします。

「この町に寄るのは二度手間になっちゃうから後回しにしよう」「この順番だと相手のターンが先に来るから、それならとりあえず後攻で有利そうな選択をしよう」というように、考えるポイントを見逃しさえしなければ、ゲーム三昧でも東京大学に合格するような、優れた思考力を育てることができるようになるわけです。

思考力さえ育てることができれば、あとは簡単です。知識量で負けていても、それらを総動員して工夫すれば、東大程度なら合格できるようになります。

 

●思考力を上げることに全力投球し、本当に東大に合格

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例えば、僕は高校三年生までずっとゲーム三昧な毎日で、ロクに勉強していませんでした。さらに、家に資金的な余裕もなく、お金も時間もない状況から節約しながら東大を受験することになってしまいました。

普通なら、僕のような受験生はあれこれと参考書を買い込んで、一つでも多く知識を身につけようとしたでしょう。しかし、僕は真逆の発想で勉強をコントロールしました。

たくさんの知識を身につけるのではなく、少ない知識であらゆる盤面に対応できるように、とにかく思考力を上げることに全力投球するようにしたのです。たとえ知識が少なかったとしても、ひとつの知識や記述から10の情報を引き出すことができれば、トータルではプラスになるからです。

そして、このような勉強法を重ねた結果、僕はなんとか東京大学に入学することができました。個人的に、僕の東大合格は、ゲームによる思考力アップなくしては語れないとすら思っています。

親御さんからできる働きかけとしては、一緒にプレイしてみるとか、プレイの様子を見てみるなどが有効かもしれません。わが子がどうやってゲームと向き合っているのかを知るには、まずは親御さんから歩み寄ってあげるしかありません。場合によっては「どうして今のターンで攻撃しなかったの?」「なんでさっきの町で買い物しなかったの?」などなど、素朴な疑問をぶつけてあげるのもいいかもしれないですね。

なぜなら、子どもたちの脳内にある考えを聞き出すことができるからです。何か操作をするときにはもちろん何らかの思惑があってのことなのですが、「なぜその操作をしたのか」を具体的に言葉で表すのは、意外なほど思考力と国語力を使います。こうすることで、親御さんの方から能動的に子どもの思考力を伸ばす手伝いをすることができるのです。

もちろん、大人の目から見れば「ゲームなんて…」と思えてしまうかもしれません。ですが、それは子どもたちの目線から見た勉強も同じこと。「将来役に立つから」と言われても、わけのわからない、興味も持てないようなものを押しつけられるなんて、正直迷惑なだけですよね。ですから、ここはまだまだ人生経験の浅い後輩くんたちのためにも、一度先輩の方から歩み寄ってあげるのも手だと思います。

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