料理教室に誘われ、お鍋の話になり、長文のLINEにドン引き…
続いては大田区の会社員の亜紀さん(30歳)のお話です。
すべての画像を見る(全6枚)勤めている会社が勤務時間を自由に調整できるフレックス制度を導入していて、毎週火曜日のお昼は近所のスーパーの片隅で開催されている料理教室にランチを兼ねて参加していました。
参加者は私と同じ近隣のオフィスに務めている会社員の男性が多い教室でしたが、近所で起業していて、時間の自由がきくというキレイな30代くらいの女性もいました。彼女と私は年齢が近かったこともあり、すぐに打ち解け、LINEも交換。
そんなある日、彼女から「日曜日にやっている別の料理教室に行ってみたいんだけれど、はじめての参加でひとりぼっちだと心もとないから一緒につき合ってほしい」と誘われ、とくに予定もないから快諾しました。
●突然始まったセールストーク。本当の目的は一体…?
彼女はLINEで、その料理教室では無水調理をするから栄養価の高い料理がつくれるようになるなど、特徴を丁寧に教えてくれました。
私は無水調理専用のお鍋を持っていなかったので、ふと「道具も使ってみてよさそうだったら、帰りにデパートで買っちゃおうかな」と返信。すると、そこから怒涛の長文が送られてきたのです。
そのお鍋はデパートでは売っていない特別なものであり、料理教室の会員になると割引で買えること、10万を超える鍋だけどメンテナンスもラクで一生ものであることなど、まるでテレビショッピングの宣伝のような文面にびっくりしました。
勤務中ではありましたが、ふと隣にいた同僚に「料理教室誘われたんだけど、なぜか無水鍋のプレゼンしてくる友人がいてさ~」と話しかけてみると、同僚の顔色が一瞬でパッと変わりました。
「それってマルチじゃない? ネットで検索してみたよ。ほらほら、この鍋じゃない? 今も被害者いっぱいいるみたいよ。在庫持っちゃうと大変なのよ。この会社、いまだにこんな商売しているのか。あきれたなぁ。関わっちゃだめだよ、絶対」
そう言われて、私もあわてて検索。ネズミ講のようにピラミッド状にお金が巻き上げられていくシステムに驚愕しました。
●誘ってきた人の本当の正体も目的もわからず…
彼女は当初、私に対して「初めてその料理教室へ行く」と言っていた割に、商品にやたらと詳しく、正直だまされている側なのかだます側なのか、判断がつかないなと思いました。でもどんなにすばらしい商品だったとしても、悪徳商法のビジネスに加担するのはよくありません。
私は考えていることをそのまま率直に伝え、「会社の同僚にも今強く止められていて、私は怖いから行くのをやめる」と伝えると、「了解」とだけ返事が来て、やり取りが終わりました。
その後、彼女は、いつもの料理教室にも顔を出さなくなってしまったので、どうなったのかはわからず。起業したという会社は本当に近所なのか、普段はどんなビジネスをしているのか、今となっては知る由もありません。
●自分で「調べる・考える・行動する」を徹底することが対策に
今回ご紹介した2つのエピソードは、身近な人がたまたま助けてくれたというとても運がいいケースでした。
怪しい人たちは、相手に調べさせない、考えさせない、行動させない傾向にあります。一方的な情報を大量に伝えてきたり、長時間の勧誘や説得に持ち込まれて思考が停止しまうケースも。少しでもおかしいなと違和感を持ったり、わからないことがあった場合には、常に自分で調べ、考え、行動することが大切ではないでしょうか。