症状のデパートともいわれ、人によって症状が違うという更年期。閉経前後の10年を指し、6割の女性が不調を感じると、産婦人科医の高尾美穂先生は言います。なかなか人に話しづらい悩みも多いなか、2名の方に更年期の体験談を語ってもらいました。すこやかに更年期を乗り越えるヒントをお届けします。

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家族や友達と話すことでラクに。読者の更年期体験談

更年期
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つらい更年期は、症状を家族や友達に話して協力してもらったり、情報を共有したりすることでラクになることも。

 

●更年期と素直に認め、家族にも救われた

けぃけぃさん 52歳/更年期開始年齢 49歳

  • 会社員。子どもは成人した長男を含め3人。更年期症状は、イライラや自己嫌悪、無気力さなど。現在もまだ少し症状を感じている状態。

「更年期かも」と最初に感じたのは、ホットフラッシュのような症状でした。先に更年期がきた友人もホットフラッシュで悩んでいたのですが、いつも大きなタオルで汗をふいていました。それに比べて私は顔が熱くなる程度で汗をかくほどでもない。友人たちとも「認めたら負けよ」と笑い合い、それほど気にしていませんでした。

しかし、だんだん好きなことができなくなってきて…。これまでは、掃除機をかけるのが好きで毎日やっていたのに、それが2日に1回になり、3日に1回になり、最終的には掃除機を出すのもおっくうになりました。老眼が進んでピントが合わないので編み物や手芸もやる気なし。趣味が減っていくし、人に会うのも面倒、先延ばしにする自分にイライラしていました。

腹をくくったのは長男に「更年期だね」と指摘されてから。もともと優しく、疲れているときはいたわってくれるような子からのひと言だったので、認めざるを得なかったです。

今は家族にも「私、更年期だから」と宣言しています。開き直ったら周りも協力的になってくれて、夫も洗濯やゴミ出しを積極的にしてくれるようになり、子どもたちも順番にお風呂洗いをしてくれるようになったので、助かっています。

職場や友人づき合いでも、過度な期待をせず、無理をしてまでつき合わなくていいと決めたらイライラから解放され、毎日がラクになりました。今はミステリ漫画を読んだり、1人時間を満喫することが癒やしの時間。漫画は実現逃避したいときにラクに読めるのでいいんです。もう少し症状が落ち着いたら外食や旅行、買い物にも1人でチャレンジしたいです。