生前整理は仕事の引き継ぎと同じ
片づけをする際、自分のものはどこにあるかわかってはいても、それが、家族にしっかり伝わるかは別問題です。だれが見てもわかるように、ものの場所を伝えておくことがポイントです。
それは、仕事の引き継ぎと同じ。書類を例に説明してみましょう。これはなんの書類なのか、必要な書類はどこに入っているのか、これはとっておいた方がいいのか…。こういったことを伝えます
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筆者は仕事柄、確定申告の書類を数年分とっているので、年度別にファイルしています。「ここにあるよ」と夫に話しておくことで、いざというときに困りません。
遺族にとっていちばんの困りごとひとつは、故人が趣味にしていたものや大事にしていたものの処分です。
整理収納のサポートを仕事にしている筆者。「遺品整理で母親の着物が大量に残っている」「父親が大切にしていた釣りの道具が残っている」など、クライアントから、故人を思い出す品物の処理に迷われているという声をよく聞きます。
自分が残したもので、家族を困らせるのは不本意。そう思う方は多いでしょう。そこでエンディングノートの出番。
残された家族が困らないように、今のうちにどうしてほしいのかなどを、ひと言書き添えておくといいですね。
「エンディングノートを書くこと=死ぬ準備」ではありません。エンディングノートは引き継ぎ書と思って取り組むと、すんなり書くことができるのではないでしょうか。
家族みんなのものは、処分を家族におまかせ
家の中には、家族と共有しているものも多くあります。それは、家族に処分をおまかせしましょう。
ちなみにわが家の場合、子どもに関係したものは、箱に入れて保管しています。
また、子どもたち自身の、幼稚園から大学卒業までの証書類、アルバムなども残っています。自分で必要なら持って行く、要らなければ処分してもらう。その判断は本人に任せることにしました。
子どもたちが自分で決めるのですから、筆者が「どうしよう?」と迷う時間を手放せます。
生前整理は、いわゆる日常の片づけと違い、自分のものだけを見直す作業です。死への準備ととらえがちですが、そうではなく、未来の自分へのプレゼントという感じでワクワクした片づけにしましょう。