ずっとすっきりと暮らせる家、ものが散らからない部屋。そのためには、どんな間取りにして、どんな収納計画にすればいいのでしょう。その極意を知るために、整理収納アドバイザーの大木聖美さんのお宅を訪問しました。築15年になるというのに、きれいに片づき、心地よい空間です。建てる前も住み始めてからも参考になる、収納のヒントがたくさんありました。
すべての画像を見る(全28枚)見た目より使いやすさ、暮らしやすさを優先して
大木邸のキッチンはオープンスタイル。つり戸棚は設けず、背面に収納カウンターを備えています。4人家族のわりにコンパクトな冷蔵庫もポイント。奥まで目が行き届き、食品ロスも防げるそう。
リビングから見たDK。大木邸のLDKは2階で、3方に窓があるため明るく開放的な空間。子どもたちの趣味だというレゴの作品もたくさん飾られています。
大木流すっきり暮らすための収納のポイント
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POINT 1 家にあるものの量をしっかり把握する
POINT 2 使用頻度の高いものは、肩から腰くらいの位置に収納する
POINT 3 家族みんなで使うものは、みんなで収納場所を決める
POINT 4 家族の成長に合わせてものは増えるので、定期的に持ち物を見直す
POINT 5 「すっきり」にこだわりすぎず、暮らしやすさを優先する
家づくりの際にまずやるべきは、持ち物のチェックが大切。
「趣味のものを含め、自分の家にあるものの種類と量をざっくり把握しておけば、どこにどのくらいの収納が必要かという収納計画が立てやすくなりますよ」(大木さん、以下同)
収納場所が決まったら、そこに「入るだけ」と決め、新しいものが欲しくなったら、収納場所を確保してから買うようにしているそうです。
ものの配置については、「よく使うものは手が届きやすい位置に、が基本。肩から腰くらいの高さだと取り出しやすく、戻しやすくなります」とのこと。
クローゼットや玄関などの大きな収納には扉がなく、オープンなのも大木流。より出し入れしやすく、掃除も管理もしやすくなっています。
「ざっくり収納が好き」と言うように、最初からがっちり決めすぎず、定期的に見直しながら暮らしの変化に合わせて収納の仕方などを変えているのもポイント。家族と一緒に収納場所を決めることで、自然と家族も片づけるようになるそうです。
大木邸のリビングでは、市販のワゴンやラックを使って、よく使う仕事用品や子どもの教科書などを収納しています。
「リビングはとくにそうですが、すっきりとさせなくてはいけない!と思い込んでいませんか? それより家族が今、どう暮らしたいかを優先させるほうが大切。市販の収納家具などもうまく利用して収納場所を確保しましょう」