●何年も待つことを覚悟していたら、トントン拍子に里子がきた

――養子・里子を迎えるにあたって難しかったことはありますか?

じつは、トントン拍子に進んだんです。
まずは里親研修というものにいきました。月イチの研修を受けて、その研修を待つ時間が大変でした。そして特別養子縁組里親・養育里親というものに登録するんです(地域によってどちらかしか登録できないことも)。
養護施設に何日か通って、小学生と過ごすという体験もしました。ものすごく懐いてくれるので離れがたく、子どもがいる生活というのを想像できました。

里子は18歳まで面倒を見ることが前提で、実親さんの意向によって返さなければいけないこともあります。特別養子縁組だと一時的な養育関係ではなく、法的にも実親子関係となります。特別養子縁組は希望者が多く、東京だと200人待ちというのも聞いていたので、長期戦を覚悟していたんです。

でも実際は、その研修が終わってから「赤ん坊がひとり病院にいるけれどどうですか?」って提案を受けたんです。

 

――その赤ちゃんがうーちゃんですね。

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うーちゃんとは生後5か月のとき、家から遠く離れた病院で初めて会いました。うーちゃんは早産だったため、「NICU」(新生児集中治療室)にいたんです。ひと目見て、大好きになりました。
夫婦で病院に通い、抱っこやミルク、おむつの交換、産湯といったお世話をしました。泊まって寝泊まり訓練も!

うーちゃんは抱っこしないと寝ない子だったので、家に連れて帰ってからも抱っこ抱っこ。なので後頭部が絶壁ではなく、今でもまあるく見事な卵みたいです。密かに自慢なんです。うーちゃんは里子から特別養子縁組しました。

 

――ぽん子ちゃんとの出会いは?

ぽん子ちゃんとは生後2週間で出会いました。うーちゃんは固ゆで卵みたいでしたが、ぽん子ちゃんはぐずぐずで湯気が出ている半熟卵みたいな生まれたて感。乳児院の職員さんがうっとりした顔で「きれいな赤ちゃん!」って言うんですよ。

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うーちゃんは里子から養子になりましたが、ぽん子ちゃんは里子です(※インタビュー後に養子となりました!)。特別養子縁組とは、親の戸籍に子どもを入れることで、法律的に実の子と同じ扱いになります。

一方、里子は親権が実親さんにあります。里親として不適格であると見なされたら一緒に暮らせなくなるかもしれないので、毎日折り目正しく、交通違反などもないように気をつけています。

 

特別養子縁組やってみた1(扶桑社コミックス)

特別養子縁組やってみた1(扶桑社コミックス)

ESSEonlineの人気連載を電子書籍化! どうしても子どもがほしかった40代の漫画家・古泉智浩さん。夫婦で選んだのは“里子”と“養子”でした。生後5か月で里子に迎え、特別養子縁組を結んだうーちゃんはすくすくと成長し、4歳に。続いて里子に迎えたぽん子ちゃんも1歳となり、かわいい盛り。たっぷりの文章とイラストで綴る、ビターでスウィートで、ちょっぴりセンチメンタルな“普通の”子育て日記です。

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