蛇口に手を触れず、水の吐水や止水のできるタッチレス水栓。コロナ禍で注目が集まっています。しかし選ぶときには注意が必要です。新築を機に3年前から使っている日刊住まいライターは、シンプルな機能のみのタイプをキッチンに採用して後悔。その理由をレポートします。タッチレス水栓を検討している人は、ぜひ参考に。

LIXILのキッチン用タッチレス水栓
念願のタッチレス水栓。でも選び方を失敗するとストレスになることも
すべての画像を見る(全5枚)

手をかざせば水が出る!新築時に念願のタッチレス水栓を採用

タッチレス水栓に手をかざす様子

筆者は3年前に家を新築。キッチンにはあこがれのタッチレス水栓を採用しました。

「料理をして汚れた手でも、蛇口に手を触れずに水を出せる」「濡れた手で蛇口を触ることがないので、水アカがたまらず掃除がラク」「節水効果が期待できる」…。そんなイメージがあり、採用についての迷いはありませんでした。

 

3年住んで思うのは、結局、手動と変わらない!?

メリットばかりだと思っていたタッチレス水栓ですが、期待が大きすぎたのか不満点も。実際に使ってみて感じた気になる点を3つ紹介します。

 

●タッチレスで温度調整ができない

タッチレス水栓の温度調整をする様子

わが家のキッチンに採用したタッチレス水栓は、温度調整をタッチレスではできません。

料理をするときは食材を洗うことが多いので、基本的に水の位置にレバーを設定しています。しかし、料理の途中で油のついた鍋を洗いたい場合や、カレーがこびりついたお玉を洗いたい場合は、水では落ちにくいのでお湯に切り替えます。

その際に、いちいち手動でレバーを操作しなければならないため、結局手についた水や油がレバーについてしまうことに。

住み始めて間もない頃は、レバーを触る前に手をキレイに洗って、しっかりふいてからレバーを切り替えていました。しかし3年たった今では、面倒なこともあり、汚れた手で切り替えてしまっています。

 

●タッチレスで水圧調整ができない

水びたしのキッチン

水圧調整もできないため、結局手動でレバーを調整することになります。

注意が必要なのが、水圧が強いままで止水したケースです。ケトルに水をためるときやお米を研ぐときは、水圧を強くして使っています。そのまま止水すると、次に使うときも同じよいに勢いよく水が出てしまいます。

それを忘れて食器を洗おうとすると、水が跳ね返り、あたり一面が水びたしに。水圧を強くしたときは、水圧を戻しておけばよいのかもしれませんが、次回使いたい水圧の加減などわかりません。

使用するときにちょうどいい水圧でなければ、レバーを手で動かす必要があるので、手動の水栓と変わりがないように感じてしまいます。

 

●弱い水圧を出すのが難しい

弱い水圧調整が難しいタッチレス水栓

筆者だけかもしれませんが、タッチレス水栓で弱い水圧で水を出すのが苦手です。

たとえば、料理で片栗粉を大さじ1杯の水で溶かすことがあります。そのようなとき、水圧を弱くしたつもりでも水の勢いが強く、水が跳ね返ってしまうことに。筆者は大さじ1を計れた試しがありません。

結局、コップに水を入れてから大さじで水をすくって測っています。普通の水栓では、起こり得なかったことなので驚きました。