タイルを中心に洗面のプランを考える
Tさんの希望もやはり壁がタイル貼りの洗面で、DIYにトライしたいとのこと。使いたいタイルも決まっていました。
すべての画像を見る(全14枚)リノベーションに役立つアイテムの販売やサービスを提供するtoolboxが取り扱う「フォグタイル」です。
こちらの照明も同じくtoolboxの取り扱う「ミルクガラス照明」で、Tさんが以前の住まいからはずして持ってきたもの。
木製フレームの装飾が印象的な工房イサドの鏡も、以前購入したものだそう。Tさんが選んだお気に入りのアイテムがそろいました。
一方、洗面本体には特段のこだわりがないようなので、筆者のマンションでも採用した安価なものでコストダウンすることを提案しました。
Tさんの希望をまとめて簡単なスケッチを描いてみました。ポイントはタイルの収まりです。「フォグタイル」のサイズは一辺がおよそ10㎝。大きめのタイルをDIYで貼る場合、なるべくカットなしでうまく収まるように考えると施工がラクになります。
幸い、洗面の壁の幅は60㎝強でタイル6枚がほぼぴったり収まるサイズ。今回、カウンターを造作してもらうので、その高さや奥行もタイルのサイズに合わせてもらい、カットする部分をかなり少なくできました。
洗面撤去からタイルDIYを経て
洗面設置まで大まかな計画がまとまったので、筆者が世田谷のマンションでお世話になっている施工業者に依頼して工事開始。
まずは既存の洗面を撤去し、大工さんがカウンターを造作。この壁にフォグタイルを貼りつけます。筆者がサポートしつつTさんがDIYで作業しました。
タイルの接着が終わったところです。天井からカウンターまでが11列、壁の横幅にちょうど6列、カットなしでぴったり収まりました。タイルの大きさから逆算したおかげです。
とはいえ、床や配管の周りはどうしてもタイルカットが必要な部分もあります。初めてのDIYで、タイルカットするのは大変なので、筆者が事前にカットしたものを準備しました。翌日、目地入れ作業をしてDIYは無事に完了。
タイルの存在感で工事前とは別の部屋のような印象に変わりました。タイルが少し余ったので、今度は自分で玄関に貼ってみようと思っているそうです。こうしてタイルDIYを楽しむ人が増えるのはうれしいことです。
後日、水道業者による洗面設置工事が行われ、無事に完成しました。ホテルのような雰囲気が漂う洗面に。Tさんいわく「毎日歯を磨くのも楽しくなりそう」とのことで、お手伝いして本当によかったなと思いました。
洗面化粧台をタイル貼りの洗面に変えた費用は約21万円
最後に、かかった費用と時間をまとめましょう。まず、業者に依頼した分から。
既存の洗面の撤去と処分、照明の設置やスイッチの新設、カウンターの造作、新しい洗面台の設置など、すべて含めて約17万5000円。ここに消費税も含めると約19万円になります。
一方、タイルのDIYにかかった費用はというと、919円のタイルシートが19シートで送料込みで1万9,241円。さらに接着のためのボンドが1本1,909円、1㎏の目地材が3袋で798円。これらを合計すると約2万2000円でした。以上を合計して約21万円が、今回の洗面リフォームにかかった費用の合計となります。
ミルクガラス照明と鏡についてはTさんが以前から持っていたものなので合計金額には含めていませんが、これらも含めると25万円くらいになる計算です。
21万円という施工費用は、一体型の洗面化粧台と比べると高額ではありますが、壁一面をタイル貼りで仕上げたことを考えると安く抑えられたのではないかと思います。
ちなみに、実際に工事にかかった日数は、撤去に1日、タイルDIYに2日、洗面の設置に1日と、計4日ほど。しかし、住みながらのリフォームでDIYの準備にしっかり時間を割きたかったこともあり、業者さんをまじえての最初の現場打ち合わせから数えると、新しい洗面の設置まではおよそ2か月かかりました。
既存の洗面撤去から、新しい洗面の設置まではおよそ1か月。工事中の不便は覚悟しなければなりませんが、お風呂やトイレなどと異なり、洗面は一時的に使えなくてもキッチンなどで代用がきくため、このような余裕を持った工事が可能です。洗面所のリフォームを検討中の方の参考になれば幸いです。