庭は開放感抜群のアウトドアリビング
すべての画像を見る(全19枚)塀で囲われた中庭は、ランドスケープデザインを得意とする古川さんが手がけたもの。みずから植物を選定し、植えたそうです。「土の部分と舗装部分にブロック分けられていて、おもしろいと思いました。こういう庭って、あまり見たことがなかったな」と田中さん。リズミカルに並ぶ窓に合わせて配された舗装パターンが印象的です。
「土が出ている面が多いとそのぶん雑草も生えるので、舗装面を多くすると管理しやすいんです。土の部分は植物で植えつぶせば雑草は生えてこないし、水やりもそれほど必要ありません」と説明する古川さん。下草は手入れがあまり必要ない葉物を中心に植えているのもポイント。日本の植物を中心に配しているため、自然な雰囲気の庭に仕上がっています。
幹が美しい落葉樹のアオダモ、紅葉が楽しめるコハウチワカエデ、実がなるジューンベリーを植えた中庭は、食事も楽しめるアウトドアリビング。日当たりのよい一角にあるハーブガーデンには、田中さんが苦手なパクチーも元気に育っていました。
庭の舗装パターンと呼応するようにリズミカルに並ぶ窓が圧巻。
「こういう庭があると癒やされますね~」(田中さん)。
1階には庭を眺めながら仕事ができるワークスペース
1階のワークスペースは、庭を眺めながら仕事ができる明るく快適な空間。現在はコロナ禍によりリモートワークが増えた妻も一緒に使っているそう。東側壁面全体を使った本棚を設置。IKEAの収納ユニットを使ってコストダウンを図っています。
グレーに塗装された壁には、イサム・ノグチの代表作である「AKARI」のデザイン絵紙が。天井のライティングレールにはルイスポールセンの「PH スノーボール」を設置。
ワークスペースからは、庭を眺めながら仕事ができます。
「各スペースは決して広くありませんが、庭で食事をしたり遊んだりできますし、室内は自然素材を用いているのでコロナ禍でずっと家にいてもストレスがないんです。洋服が体にぴったり合うように、過不足がない感じ」と古川さん。好きな植物とアートに囲まれた、ジャストサイズの住まいを実現したようです。
1階には寝室と水回り。片もちの階段や間接照明が美しい
冬場、寒くなりがちな玄関には、スウェーデン製の断熱ドアを採用。
玄関を入ると2階LDKにつながる片もち階段が。手すりには間接照明を配しています。
1階洗面室は階段下を利用したユニークな空間。腰高の緑のタイルにイタリア・カタラーノ社の洗面ボウルを合わせたデザインは、ヨーロッパの小さなホテルをイメージ。デンマーク製の円形ミラーもおしゃれです。
壁面に1970年代デザインのマリメッコを飾った1階寝室。反対側は中庭に面しています。
壁面のクローゼット内部はIKEAの収納ユニットを活用して整理。「家全体で80㎡しかないので、収納は重要。ケースなどには家族で色分けしたラベルを貼っています」(古川さん)。
間取り図
長方形の敷地に建物をL型に配置。道路側の駐車場は最小限のスペースとし、そのぶんアウトドアリビングとして楽しめる中庭を広めに確保しています。L型にすることで、各室が中庭に面し、天井の高い2階はLDKとプレイスペース(子ども部屋)が連なる一室空間になっています。
「室内も庭も快適でくつろげました~」(田中さん)。
●お知らせ
田中さんが住宅雑誌『住まいの設計』で2018年から連載している「家好き芸人 アンガールズ・田中が行く!建築家の自邸探訪」が、1冊の本になりました。これまで田中さんが訪ねた個性豊かな20軒のお宅を掲載。加えて、田中さんの素顔に迫る新規記事も充実しています。