間取り図と外観、周囲の環境について
すべての画像を見る(全28枚)路地の突き当りにあるM邸の外観。駐車場の上部には、軒のように2階が張り出しています。隣家に面した2階北側には窓がありません。
市松に配した窓が特徴的な南側の外観。
西側と北側は隣家が迫っていますが、東側と南側は隣地の庭や駐車場に面しているため、市松の窓からは空を望むことができます。
勉強スペース&書斎をオープンなLDKに集約
小さな正方形の窓を市松に配した南側の壁が印象的なMさんの家の2階LDK。南に向かって高くなる勾配天井も、開放感をもたらしています。「面積が限られているので個室などはできるだけ小さくして、家族が集まる空間を広くするのが希望でした」と夫。
21坪とコンパクトな敷地を効率よく使い切るために設けられたのが、家族みんなで使えるスタディコーナーを含むワンルームのLDKです。
市松の窓に面したスタディコーナーは、「それぞれの席に座ると目の前には壁が来るようになっているので、気が散らないんです。娘の横でリモートワークができ、とても助かっています」と妻。キッチンにいても、長女の様子を見守ることができます。スタディコーナーは床を一段上げることでLDKとゆるやかに区切り、床下を収納に利用。
西側のバルコニーにつながるベンチや北側のテレビカウンターも収納を兼ねることで、子育て中でもすっきり暮らせるように工夫されています。
一方、必要最小限の広さの個室と水回りを配した1階は、機能性を重視。玄関からウォークインクローゼット、着替え室(脱衣室)、洗面室を回遊動線上に配置しているため、家事も身支度もスムーズです。
扉がなく、各スペースを軽やかなカーテンで仕切っているのもポイント。コンパクトながら子育ても家事もしやすい、大らかな住まいを実現しています。
座る場所がたくさん!楽しい時間を過ごせます
大らかな勾配天井と壁には自然素材の珪藻土を採用。たくさんの窓から入る光がやわらかく反射し、美しい表情を見せています。窓と壁の凹凸により陰影も生まれています。
階段には腰高の扉を設置。冷房時に冷気が階下に逃げるのを防ぎます。「赤ちゃんや犬が遊びに来たときなども閉めると安心」(妻)。
「キッチンの上などにものを出しておくのが好きじゃなくて、全部しまいたい」という妻の要望をかなえた、収納量豊富なキッチン。すっきりしていて、空間も広く感じられます。
「座ったときや立ったときに目線の高さに収納があると圧迫感が出てしまうので、目線を避けて上と下に収納を設けています」と設計者の阿蘓さん。つり戸棚の上には間接照明が設置され、テレビの下の収納はベンチを兼ねています。
リビング側のベンチを使えば、長女もお手伝いができます。
つり戸棚の中は無印良品のファイルボックスを使って整理。