昨今、話題になっている「スタンダードプロダクツ」。ダイソーの新事業として店舗を拡大し、多くの人を魅了する商品を提供しています。100円ショップなどを中心にお店に詳しい食文化研究家でライターのスギアカツキさんに、ショップの魅力と実際に買った商品を紹介してもらいました。

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スタンダードプロダクツ店舗
話題のスタンダードプロダクツ。早く近くにできてほしいですよね(撮影場所:スタンダードプロダクツ渋谷店)
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注目の「スタンダードプロダクツ」の魅力とは?

ダイソーの新業態として、2021年4月に華々しく登場した「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」。その人気は集客だけにとどまらず、ストア・オブ・ザ・イヤー2022(主催:株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)を受賞するなど絶好調。東京都内のほか、大阪と京都にも店舗を広げる成長ぶりを見せています。

このお店が目指すのは、「ちょっといい」という実感が「ずっといい」になること。DAISO(ダイソー)ブランドで培ったノウハウを生かしながら、新たなスタンダードの提案をするのが狙いだそうですが、お客の立場から見たときに、具体的にはどんな魅力があるのでしょうか?

そこで今回は、100均では味わえない「スタンダードプロダクツの新たな魅力~キッチン編~」を5つの視点でお届けしながら、その上で私が厳選した3つのアイテムをご紹介してみたいと思います。

 

(1) 100円の概念を覆すデザイン性・機能性

そば猪口
モダンなそば猪口や豆皿が110円

従来のダイソーでうれしいのは、自分の用途・ニーズに合わせて選べる選択肢がそろっているという点にあります。それらは一生使いたいと思える名品というよりは、数年しっかり使えるものとしての役割を担ってくれていますよね。

一方、スタンダードプロダクツはアイテム数が厳選されている分、デザイン・機能性において徹底的にこだわりぬかれた商品が並んでいます。特にキッチンツールにおいては、“レスイズモア(少ない方が豊かである)”の精神を教えてくれるかのようなアイテムが多く、買った人が飽きずに使えるのはもちろんのこと、モノへの愛情が深まっていくような出逢いを予感させてくれるでしょう。大創産業ならではの“モダンな洗練”は、無印良品やニトリとは一味違った世界観。それを感じるだけで、お買い物が楽しくなるはずです。

 

(2) 大ヒット商品を生み出す、令和のチャレンジ精神

包丁
世界有数の刃物の産地、岐阜県関市で作られる包丁は、いつも完売状態

テレビの影響力もあってか、最も注目を集めているのが、「1100円の包丁」。某有名番組で紹介されて以降、三徳包丁やブレッドナイフの完売状態が続いています。この状況は、100円から脱却して名品を生み出すことに成功している最も顕著な例と言っても過言ではないでしょう。

憧れの名品を1000円程度で購入できることは、お客にとって新たな喜びを与えてくれることに他なりません。うん、素直にうれしいですよね。ヒット商品を生み出す開発者のセンス。そしてそれらを生み出す産地の人々にも丁寧な光が当たり、伝統的なモノづくりへの敬意と新たな解釈を感じさせてくれています。

 

(3) キャンプグッズで光る質実剛健さ

キャンプグッズ
テントや調理器具までそろうキャンプグッズコーナー

お店の魅力を語るうえで欠かせないのが、強みを語りやすいという点。その筆頭が、キャンプ用品であり、メスティン、ホットサンドメーカー、燻製チップなどが大充実しています。これらに一貫しているのが、丈夫でありながら、誰もが使いやすいようにサイズやデザインが考慮されていること。

使う人が主役になるような、美しくもつつましい佇まいを気に入る人は多いでしょうが、コスト面でも秀逸。多くのアイテムが110円~1100でそろうため、アウトドア専門ブランドでそろえるよりもはるかにコストダウンができることは間違いありません。

 

(4) アースカラーが与えてくれる、確かな癒し

食器
食器の色味は、じんわり心に残るものばかり

私自身、スタンダードの概念を広げるきっかけとなったのが、“色味”。たとえば食器類のカラーと見ていくと、単に白や黒のモノトーン食器が並んでいるのとは違い、自然を感じさせてくれるようなアースカラーの商品が多く、それらはいずれも優しい色味のものばかりです。手に取るとふんわりと優しく、癒しを感じる絶妙なニュアンスは、しみじみ心に残ります。

 

(5) 撮影OK、シェアOKの店づくり

撮影OK
どのコーナーも撮影OK、Instagramを歓迎してくれています

最も驚いたのは、店内が撮影OKであるということ。このオープンマインドは、自信がなければ容易にできることではなく、商品のみならずお店づくりに対する努力の結晶によって成り立っていると解釈することができます。また、買い物をするお客の欲求(いいものをシェアしたい)にもこたえてくれている証拠。このような開放的なお店づくりこそが好感度や期待感を育む源になっているに違いありません。