●母亡き後が唯一残したもの

段ボール箱
※写真はイメージです
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そして母が亡くなり、入居していた老人ホームのお部屋の荷物も、施設に処分を一任しました。使えそうなものはリサイクルしていただけるので、袖を通していない洋服などは、どなたかが着てくれているはずです。

わが家に母が残したものはというと、同居時に自宅から持ってきた段ボール1箱です。母は「これは大事なものが入っている」と言っていましたが中身を確認したことがありませんでした。それから、ずっとわが家の押し入れに眠ったままでした。

いつまでもそのままにしておけないと思い、まずは押し入れから出してみて中身を確認してみたら…。入っていたのは、記帳済みの通帳や、生命保険の契約書、年金手帳。昭和の香りがプンプンする払い込み通知書でした。ほとんどが「お金」に関する証明書みたいなものです。もう必要ないものも大事だったのか…。

 

●時間をかけないためには「1日1捨て」がいい

片づけには動機というか、ある程度やる気が必要です。なにかをモチベーションにして片づけると思うのですが、これにはまったくやる気が起きません。というのも、ほとんどがシュレッダーをした方がいいものばかりだからです。

押し入れから出してみたものの、しばらくは手がつきませんでした。面倒なのでついつい先延ばしになってしまうのです。そこで、1日1捨てすることに決めました。とにかく毎日1つはなにかを処分することにしたのです。なにを処分するかを選んでしまうと、そのことに時間をとられるので上から目についたものを1つ取って処分することにしました。すると日に日に中身が減っていき、空いたスペースが広くなっていくことで小さな達成感を味わえました。

中には、母がまだ20代の頃に交わしたであろう土地の売買契約書までありました。そういうのをじっくりと見てしまうと、母の人生を想像してしまうので、あえてエイッと破り捨てました。主を失ったものに感情をのせないことが手放しのコツだと思います。もうすぐ、すべて処分し終えるのですが、これで本当に母の歴史が終わったのだと感じる今日この頃です。

 

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