東日本大震災から、今年で11年。福島県では今日も、日々努力を重ねる生産者の方たちの力で、たくさんの「おいしい」が育っています。今回、そんな「おいしい福島」を盛り上げる農林水産物の生産者を、ESSEonline編集部が取材しました。さらに、人気料理家のコウケンテツさんが、今回集めた魅力たっぷりの福島の食材でつくった、絶品レシピもご紹介! 福島のおいしい魚や野菜の魅力を存分に生かしたレシピを、ぜひ試してみてください。

おいしい福島の魅力を発見!生産者を訪ねました

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広大な県土を有する福島県は、会津、中通り、浜通りという個性豊かな3つの地域から成り立っています。今回訪れたのは、福島県東部の浜通り地方

太平洋に面し、一年を通じて温暖なこの地域には、東日本大震災によって大きな被害を受けた市町村が多く存在します。震災から11年が経った今、多くの困難を乗り越えながら、農林水産物をつくり続ける生産者の方々にお話を伺いました。

●土づくりにこだわった南相馬市・荻の杜のスナップエンドウ

スナップエンドウ

「野菜は口に入れるものだから、できるだけ減農薬でつくりたい」

そう語ってくれたのは、南相馬市・荻の杜の發田 栄一(ほった えいいち)さん。震災後、道路が見えなくなるほどの雑草でいっぱいになってしまった小木迫地域の復興のため、2017年に仲間たちと株式会社・荻の杜を立ち上げました。

エゴマやブロッコリー、キュウリなども生産している發田さんが、作物のはざかい期に育てているのがスナップエンドウ。ジャガイモと一緒にお味噌汁に入れるのもおすすめの食べ方だそう。

もともと田んぼだった粘土質の土を、野菜生産に向いたものにするため、土づくりにこだわっている發田さん。「土は嘘をつかないし、野菜も嘘をつかない。きちんと土づくりをすると、同じ野菜の品種でも味が全然違う」という發田さんのスナップエンドウは、「さっと加熱するとシャキッと歯触りが良く、濃い甘みが抜群のおいしさ。色鮮やかな緑が料理を華やかにしてくれますね」とコウケンテツさんも大絶賛でした。

購入はこちら:小高マルシェ https://odaka-marche.com/

●小高区・小高工房の柚子胡椒は、刺激的で風味抜群!

柚子胡椒

「2016年に帰ってきたとき、ここは猿やイノシシだらけ。野生の王国になっていました」と快活に笑いながら思い返してくれたのは、南相馬市の小高で生まれ育った廣畑 裕子(ひろはた ゆうこ)さん。

廣畑さんは、南相馬市の住人が小高区の特産品をひとつひとつ手づくりする「小高とうがらしプロジェクト」を2017年にスタート。こだわりのつまった特産品は、地域のコミュニティースペースも兼ねた小高工房で販売しています。

震災時、なにもできない自分の情けなさと対峙した廣畑さんが、コミュニティスペースの創設や花の栽培を開始したのは、まずは自分自身を元気にするためだったそう。

商品も、まずは自分が食べておいしいかどうかを大切にしているという廣畑さん。コウケンテツさんが「香り高く仕上げに振りかけるだけで、料理がワンランク上の味わいになりますね。パウダー状なので、その使いやすさも魅力です」と話す柚子胡椒は、小高工房の人気商品。唐辛子はもちろん、柚子も福島のものを使用しています。

「とても辛い黄色の唐辛子を使っています。完熟まで待って収穫した唐辛子は風味も抜群。油ととても合うので、パスタソースにしたり、揚げ物などに添えたりするのがおすすめ」(廣畑さん)

手づくりの柚子胡椒を口に含むと、爽やかな柚子の風味と刺激的な唐辛子の辛さが口いっぱいに広がりました。

購入はこちら:小高工房ショップ https://shop.odaka01.com/

福島出身のイケメン俳優も美味しさに感動! 詳しくは動画で公開中

●思わず「おいしい」がこぼれる、富岡町・アグリ渡辺のタマネギ

タマネギ

富岡町でタマネギを生産する渡辺 董綱(わたなべ とうこう)さん、しげ子さんご夫妻。震災前は稲作を行っていましたが、2017年に避難先から戻ってきたとき、田んぼのための水路が、すべてイノシシに土で埋められてしまっていました。

「そのため心機一転、タマネギを生産することに。種まきから半年弱で収穫できる稲作と違い、タマネギは11か月かかるので最初は苦労しました」と語る董綱さんですが、今ではあまりのおいしさに、地元へのお土産にタマネギを購入しに来る遠方のお客さんもいるんだとか。

「厚みのある『ターザン』という品種はステーキにぴったり。『浜の輝き』はかき揚げにすると甘さが増してすごくおいしい。赤いタマネギ『レッドグラマー』はサラダに適しています」と、生産している3種類のタマネギの魅力を熱く語ってくれる董綱さん。

妻のしげ子さんいちおしのレシピは、取材スタッフも思わず舌鼓を打った「タマネギの酢漬け」。

「はちみつと酢と水を混ぜたものを沸騰させて、スライスしたタマネギを入れます。2分くらいゆでたら、冷ましてビンにいれて保存します」(しげ子さん)

タマネギを手に取ったコウケンテツさんも「フレッシュでみずみずしい!」と絶賛。「料理の主役はもちろん、脇役としてもほかの素材のおいしさを引き立ててくれますね」とレシピへの創作意欲を刺激された様子でした。

購入はこちら:道の駅ならは 
福島県双葉郡楢葉町山田岡大堤入22-1
TEL:0240-26-1126
https://www.michinoeki-naraha.jp/detail/2067/index.html
※時期により入荷状況が異なります

●ふっくら脂がのった浪江町・柴栄水産のスズキ

スズキ

福島県の太平洋側で獲れる魚介類は、全国でも「常磐もの」として高い評価を得ています。

浪江町請戸沖で明治30年から水産業を営む柴栄水産、代表取締役の柴 強(しば つよし)さんは、その理由について「浪江町は本州ではいちばん東側。海岸がまったいらで波が荒く、暖流と寒流がぶつかる潮目になっています。潮目には栄養たっぷりなプランクトンがいっぱいいて、それを食べているから魚がおいしくなるんです」と教えてくれました。

たしかに、水槽に入れられた生きたままの魚はどれもふっくら。柴栄水産のスズキは、「刺し網」という漁法で獲られ、柴さんたち魚のプロが厳しい目で選び抜いたもの。

「うちは生きた状態で魚を卸す活魚もやっています。新鮮なスズキは刺身ももちろんおいしいですが、思いきって焼き物にしても絶品。スズキは脂がのっているので、焼くとふんわりするんです。シコシコした歯ごたえと甘みは、舌がとろけるようですよ」(柴さん)

実際にスズキを口にして、そのふわっと柔らかな口あたりに驚いたというコウケンテツさん。「噛むほどに力強いうま味を感じるので、シンプルな料理がぴったりですね」(コウさん)

震災から11年がたった今、水揚げ回数の制限はあるものの、脂ののった大型の魚を厳選して出荷しているそう。「福島県の水産業の復興はまだまだこれから。以前のように全国に安定した卸しができるようになりたいです」と意気込みを力強く語ってくれました。

購入はこちら:柴栄水産直売所
福島県双葉郡浪江町大字請戸字古川15-7
TEL:0240-23-5411/FAX:0240-23-5412
http://www.shibaei.co.jp/index.html

●果肉しっかりフレッシュな楢葉町・ナラハプラントファクトリーのトマト

トマト

液状の肥料を使った養液栽培でトマトの生産を行っている、楢葉町のナラハプラントファクトリー。

「市場に求められるおいしいトマトを消費者の方々に届けたいと思い、1年を通して安定した出荷が行えるように努力しています」と語る社長の青木 浩一(あおき こういち)さん。

青木さんはトマトの養液栽培に携わって15年。それまではいわき市でトマトの生産を行っていましたが、2020年から現在の場所でトマトの栽培を始めました。

「うちで栽培しているのは、ほとんどが大玉トマトの『りんか409』。非常に果肉がしっかりしていて、酸味と甘みのバランスが好評です。生ハムと一緒にオリーブオイルなどであえて食べると、とてもおいしいですね」(青木さん)

真っ赤なトマトをかじったコウケンテツさんは「さっぱりとしながらも濃厚な味わいで、何個でも食べられます。サラダのほかにも、さっと加熱してもおいしいですね」と料理のイメージを膨らませます。

ナラハプラントファクトリーでは、今年からトマトの育苗が終わったあとのハウスで、いちごの生産もスタート。地元の復興と楢葉町の農産物の知名度を高めるための挑戦は続きます。

購入はこちら:ナラハプラントファクトリー(青木)
電話:0240-23-5903/FAX:0240-23-5904
E-mail:naraha_pf.first@outlook.com

●鮮度が命!いわき市のヤリイカ・マダラ

ヤリイカマダラ

「魚はもちろん獲れたてがいちばん新鮮。でも、氷の漬け方などによっては、すぐに色が変わってきてしまうんです。だから、いかに鮮度よく運ぶかが大切で、私たちもそこにこだわっています」

そう語ってくれたのは、漁師の鈴木 健(すずき けん)さん<写真左>といわき市漁協の新妻 隆(にいづま たかし)さん<写真右>。

「今は底引き網で漁を行っていて、夜中の1時に出発し、2~3時間海に出ています。網にはヤリイカやマダラ以外にも、ヒラメやカレイ、マイカなど、たくさんの種類の魚が入ってます」と話すのは、船に乗って20年以上の漁師・鈴木健さん。

「ヤリイカは刺身もおいしいですが、2月頃だと卵が入っていることも多くて、その卵が絶品! 地元ではそのまま煮つけて食べるんですよ」(鈴木さん)

常磐ものは、マダラも大人気。

「マダラは本来、白身で淡白な魚ですが、常磐沖で獲れるものはうま味がぎっしりつまっていてとても美味です。身も丸々と太っています。海にいるときのように光る魚が新鮮で、黒くなったり白くなったりしているのはダメなんです」と、その魅力とおいしい魚の見分け方を新妻さんが教えてくれました。

ピカピカに輝く新鮮な魚を見たコウケンテツさんもやる気満々に。

「身が輝くように美しいですね。煮込みやスープにして新鮮なうま味を存分に味わいたいです」(コウさん)

購入はこちら:ふくしま常磐ものNAVI
https://fukushima-jobanmono.jp/enjoy/buy/

いわき常磐もの
http://joban-mono.jp/product

もぎたてトマトをガブリ! 現地取材したスペシャル動画もチェック

魅力あふれる福島の食材を、コウケンテツさんが絶品レシピに!

コウケンテツさん

こうして集まった魅力あふれる福島県の食材を、人気料理家のコウケンテツさんが調理! 素材のおいしさを存分に活かした絶品レシピを2つご紹介します。

●ヤリイカとマダラのガーリックトマト煮

ヤリイカとマダラ

輪切りのヤリイカと切ったマダラをトマト缶で煮込んだレシピ。ニンニク、タマネギを最初にしんなりと炒めてから魚介とシメジを煮て、仕上げにフレッシュなトマトを加えます。

【材料(2~3人分)】

  • ヤリイカ 1ぱい
  • マダラ 2~3切れ
  • トマト 1個
  • マイタケ 100g
  • タマネギ 1/2個
  • ホールトマト缶 1/2缶(200g)
  • ニンニク(みじん切り) 1かけ
  • オリーブオイル 大さじ2
  • 酒 大さじ2
  • 水 1/4カップ
  • 砂糖 小さじ1
  • 塩、粗びきコショウ 各適宜
  • パセリのみじん切り 適宜/li>

【つくり方】

(1) トマトは1cm幅の輪切りにする。タラは食べやすく切って塩、コショウをふる。イカはワタを取り除いて胴は輪切りにし、足は食べやすく切り分ける。マイタケはほぐし、タマネギは薄切りにする。

(2) フライパンでオリーブオイル大さじ2、ニンニクを中火で熱し、タマネギを炒める。しんなりしてきたら酒をふって混ぜ、つぶしたホールトマト、水1/4、砂糖、塩小さじ1/2を入れて煮立てる。

(3) マイタケ、タラ、イカ、トマトを広げてのせ、ふたをして7~8分ほど蒸し煮にする。塩、コショウで味をととのえ、器に盛ってパセリ、コショウを散らす。

●スズキと蒸し野菜のクリームソース

スズキと蒸し野菜

スズキとキャベツ、ブロッコリー、スナップエンドウをフライパンで蒸して、クリームソースをかけていただきます。ハーブなどを散らして香りよく。仕上げに柚子胡椒をふってもおいしいですよ。

【材料(2人分)】

  • スズキの切り身 2~3切れ
  • ブロッコリー 小1/2株
  • スナップエンドウ 8~10本
  • キャベツ 1/4個
  • 酒 大さじ3
  • 塩、粗びきコショウ 各少々
  • 柚子胡椒 適宜
  • 好みのハーブ(イタリアンパセリ、ディルなど) 適宜
  • 生クリーム 1カップ
  • ニンニク(みじん切り) 1かけ
  • オリーブオイル 大さじ1

【つくり方】

(1) スズキは、塩、コショウをふる。ブロッコリーは小房に分ける。スナップエンドウはヘタと筋をとる。キャベツは食べやすい大きさに切る。

(2) フライパンにブロッコリー、キャベツを並べスズキをのせたら、酒をふってフタをし弱火で5~6分ほど蒸し焼きにする。スナップエンドウをのせてさらに1分ほど蒸し、火が通ったら取り出して器に盛る。

(3) 小さめのフライパンでオリーブオイル、ニンニクを熱し、香りが立ったら生クリームを加えて弱火で混ぜながらとろっとするまで煮つめ、塩で味を整える。

(4) (2)を器に盛って(3)のソースをかけ、柚子胡椒、ハーブを散らす。

●コウさんが作り方を丁寧に解説! スペシャル動画公開中
『ヤリイカとマダラのガーリックトマト煮』はこちら

『スズキと蒸し野菜のクリームソース』はこちら

ふくしま浜通りの海を満喫! 番外編動画もチェック!
■ふくしま浜通りの海は元気いっぱい! https://youtu.be/BS0QTxUS6gc
■ふくしま浜通り~地元が教える絶品浜料理! https://youtu.be/IXw3X18oDNk

都内でふくしま浜通りの産物が買える!ふくしまマルシェ開催

□6月18日(土)11:00~15:00 多摩センター駅(京王・小田急)駅前パルテノン大通り
□7月24日(日)11:00~17:00 恵比寿ガーデンプレイス「シャトー広場」

ふくしま浜通りマルシェ in 多摩センター/飲食店タイアップ

『ふくしま浜通りとっておきメニュー』

先着45名様分(詳しくは当日会場ブースにてお尋ねください。)

  • □期間:6月18日(土)~6月26日(日)
    場所:ココリア多摩センター6階 畑deきっちん

    6月18日(土)多摩センター駅前パルテノン大通りで開催のふくしまマルシェ会場で、一定金額ご購入いただいた方の中から抽選で45名様に、コウケンテツさん考案の「ふくしまとっておきメニュー」を楽しめるお食事券が当たります!

協力/福島県浜通り