高齢親の生前整理をスムーズにするコツ

昨年、同居していたお母さんが介護施設に入居。本人の了承を得て、所持品の生前整理を始めた藤野さんに、率直な感想と心得をお聞きしました。

●ひとりで背負い込まず周りに頼ることも大事

同居していたお母さんの部屋は約6畳。一軒家に住んでいる人よりものの総量が少ないとはいえ、なかなか捨てられないものがあったと言います。すぐに捨てられたのは下着や靴下などの消耗品。捨てられなかったのは、お母さんが大切にしていた着物やアクセサリーです。

「一部は生前贈与として家族で受け継ぎました。残りはどうしようかと途方に暮れていたら、娘が『おばあちゃんが楽しんだのだから役目はもう果たしている。無理に残しても私たちの負担になるから片付けよう』と言ってくれて。ようやく手放すことができました。姉と一緒に整理しましたが、ひとりで抱え込まず、ときには娘にも相談するなど、周りに頼ってよかったと思います」

●アクセサリーは自分好みにお直しして使う

アクセサリー
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受け継いだアクセサリーのなかには、デザインが古いものも。「しまい込みたくないので自分好みに繕いました。複数ある羽織留め(左)は、2本つなげてネックレスにする予定です」

●自分でやると幸せな時間が味わえることも

母子手帳

業者にまかせず、姉と一緒に整理。「日記やハガキを見てきちょうめんな母を感じたり、意外なものが出てきて驚いたり。母に触れる幸せな時間を過ごせたので、自分たちでやってよかった」

●大きな家具は残して身の回りのものから整理

大き目家具
©講談社

捨てやすい下着や靴下などの消耗品から手をつけるのがおすすめ。「母が長年使っていた家具を見るといろいろな思い出がよみがえるので、もうしばらく置いておこうと思います。

そのときどきの暮らしに合わせて、必要な道具をそろえていく。年齢を重ねると、「変えること」に戸惑いが生じることもありがちです。でも、自分の年齢や体力と向き合うことも大切なこと。暮らしを心地よくするもの選び、ぜひ参考にしてみてください。

 

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