季節の変わり目は、疲れやだるさを感じやすくなるもの。目覚めが悪い、倦怠感が抜けないなど、プチ不調に悩まされている方も多いのではないでしょうか。そんな今の季節に意識したいのが、“食”を通じて体を整える「食養生」です。今回は赤坂ファミリークリニック院長、伊藤明子先生に、春の不調の原因や効果的な食材について教えてもらいました。

春の不調と女性
新しい季節なのに、どうにも体の調子がのらない…(※写真はイメ―ジです)
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なぜか体がツラい。春に不調を感じやすい理由とは

過ごしやすい気候になり、やる気がみなぎる春。心躍る季節のはずなのに、疲れやだるさが後を引いて体がついていかない…なんて人も多いもの。悩ましい春のプチ不調について、伊藤先生は新年度ならではのストレスが影響していると話します。

「日本において、春は“きり替え”の季節。人事異動や引っ越し、子どもの進級などさまざまな変化が起こるなかで、緊張感や不安感を覚える人も多いでしょう。その負担が知らず知らずのうちに、心と体にストレスを感じてしまうようですね」(伊藤先生)

精神的なストレスだけでなく、気温や気圧、生活リズムの変化による自律神経の乱れも大きな要因のひとつ。目覚めや寝つきの悪さ、倦怠感に悩まされる人も多くなる傾向にあります。

●春の養生食。カギは「卵」と「青魚」

卵

では、春の不調を改善するにはどのような食材が適しているのでしょうか。

「緊張や不安、気温の変化によるストレスの緩和には、タンパク質を豊富に含む『卵』がおすすめ。コレステロール値を心配される方も多いですが、現在の研究では“卵の摂取量とコレステロール値は直結しない”と明らかになっています。1日1~2個を目安に、さまざまな料理に取り入れていきましょう」(伊藤先生)

また、「魚」も春の食養生に欠かせない食材のひとつ。EPAやDHA、ミネラル、鉄分などを多く含む季節の魚を積極的に摂っていきましょう。

 

【伊藤先生おすすめの魚】

・さわら

・ぶり

・いわし

・サーモン

・いかなご

 

●春の不調を撃退!卵をつかったミモザサラダ

タンパク質をたっぷり含み、家計にもやさしい卵。積極的に取り入れていきたいですが、どうしてもメニューがマンネリになりがちですよね。スープや炒め物に飽きたら、フレッシュサラダのトッピングにしてみては。濃厚な卵の旨味で、副菜とは思えない満足感のある一品に。

ミモザサラダ

材料(2人前)

  • ブロッコリー(小) 1株
  • スナップエンドウ 6本
  • プチトマト 3~5個
  • パプリカ 1/2個
  • ブロッコリースプラウト 1パック
  • ロメインレタス 5枚
  • 卵 2個
  • ドレッシング[酢大さじ1と1/2 レモンしぼり汁少々 マヨネーズ大さじ2 マヨネーズ大さじ2 粉チーズ小さじ1と1/2 砂糖、塩、粗びきコショウ少々 ニンニクチューブ2~3cm]

【つくり方】

(1) 小さめの鍋に、卵とかぶるくらいの水を入れて中火にかける。沸騰後、約9~10分茹でる。

(2) 水にとって殻をむき、黄身と白身に分けてフォークやナイフで潰す。

(3) 野菜を食べやすい大きさにカットする。ブロッコリーは小房に切り分け、ラップをかけてレンジで2分。スナップエンドウはさやを取り除き、ラップをかけてレンジで1分20秒。

(4) 調味料(B)をすべて入れてかき混ぜ、ドレッシングをつくる。

(5) 皿に野菜を盛りつけ、その上に黄身と白身を散らす。最後に、ドレッシングを振りかけて完成。

 

「腸内環境を整えることも、春のプチ不調改善に効果的です。免疫バランスを整えるためにも、腸内で発酵しやすい食物繊維『発酵性食物繊維』を多く含むブロッコリースプラウトをミモザサラダにたっぷりと。このほか、イワシ+オートミールのお魚バーグや、卵+たまねぎの野菜スープなどもおすすめです」(伊藤先生)