リビングダイニングは、傾斜した壁により吹き抜けの大空間を実現
すべての画像を見る(全22枚)寺田邸は二世帯住宅で、寺田さんの両親が住むRC造の1階の上に木造2階建ての子世帯が載る構成になっています。また、近くには妻の両親が住む家があり、「家族みんなで暮らしたい」という思いから、この家を建てることになったそうです。
田中さんが最初から気になっていたのは、1階から3階までを貫いている斜めに傾いた壁。
「この壁を設けたのには3つの理由があって、1つ目はこの壁を共有することで、二世帯のつながりが感じられるようにすること。2つ目はパブリックとプライベートを分けること。3つ目は吹き抜けをより大きく感じさせること」(寺田さん)
「壁が少し傾斜しているだけで、空間に広がりが感じられたりするのっておもしろいですね。2階の洗面所の壁は寄りかかって歯磨きができるし、3階の寝室は宇宙船のようだし」と、田中さんも斜めの壁の効果を実感したようです。
屋根の頂点に斜めに突き刺さるような壁が天井の高さを強調するリビングダイニングは、ガラスの引き戸によってテラスと一体化。開放的な空間に個性豊かなミッドセンチュリーの家具が映え、「友達を招くのが大好き」という寺田さんの遊び心が詰まった住まいになっています。
ガラス戸をフルオープンにするとLDとつながる広いテラス。ここでバーベキューをすることも。田中さんが座っているのは、ハリー・ベルトイアの名作「ダイヤモンドチェア」。
「家具は展示するだけじゃなく、使わないと」と寺田さん。ダイニングにはエーロ・サーリネンのチューリップチェアとテーブルが。
二世帯共通の玄関を入ると、正面に2階子世帯に続く黒い階段が。左手には3層を貫く斜めの壁があり、黄色い引き戸の向こうには1階親世帯のLDKなどが広がっています。
「斜めの壁がすごく印象的で、『何度傾いているんですか』って聞いたら、寺田さんが娘さんから分度器を借りて測ってくれて、10度と判明。壁が10度傾くことでこんなにも広がりが感じられるって、驚きです!」(田中さん)。
3階の寝室は、朝日のような時計が際立つ、青で統一された空間
壁も天井もベッドカバーも、すべて青で統一された寝室。奥にWICを備えており、コンパクトながら高い天井が開放感をもたらしています。壁の時計は寺田さんがデザインしたもの。
斜めの壁が不思議な広がりを演出。
寝室の隣の子ども部屋。右手のはしごを上るとロフトになっていて、ベッドと勉強机が設置されています。
子ども部屋のクローゼットと手前のトイレの扉にはボルダリングのホールドが!