PTAはだれのため?メリット・デメリットから見えてきた実情

「一人で立候補してみましたが、同じように一人で立候補したママさんと気が合い、今ではランチに行く仲に。PTAをやらなかったら確実に知り合えていないはずなので勇気を出してやってみてよかったです」(千葉県・38歳)

PTAがきっかけで、ママ友が増えたという人はたくさん。実際の活動を通してどんなメリットがあったのか聞いてみました。

PTA2
すべての画像を見る(全5枚)

●やってよかったPTA

「幼稚園の役員をやっていました。下の子が入学する来年もPTAをやろうと考えています。園や先生との繋がりができ、自分にとってはよい経験でした」(神奈川県・41歳)

「PTAを通して、学年が異なる父兄とも知り合え自分自身の交流の輪が広がりました。またPTAを経験したことで学校の内情も知ることができ、結果的に子どもの転校に踏みきることができました」(大阪府・37歳)

「今年、PTAの本部にくじで当たってしまい、色々な行事や会議で学校に行くことがあるのは面倒だなぁと思っていました。しかし、子どもは私が学校にひんぱんにいるのを喜んでいたような気がします」(東京都・48歳)

「PTAで委員を1年経験しその後委員長を2年、今は副会長を2年しているところです。活動をすることで他学年のお母さん方とたくさん知り合いになれ、先生方といろんな情報交換ができ、自分にとっても子どもにとってもプラスになる事のほうが多かったように思います。お仕事している保護者の方が多いのでボランティアで時間を取られることに不満がある方も多いようですが、一瞬しかない子どものことに全力でサポートできることは私にとっては決して無駄ではなかったです」(福岡県・45歳)

「保育園、小、中、高と全部役員をやりました。役員をすることで学校のことが分かったり、先生と親しくなりました。先生のことを理解できるため、こちらの要望、心配ごとも伝えやすくなります。クレームばかりを言う親ではなく、日頃から、学校、地域、わが子以外の子どもたちにも目を配り、関心を持つことが、わが子にもよい影響を及ぼすと思っているし、ママ友も増え、私自身も楽しい学校生活が送れます」(千葉県・51歳)

●PTAは早くやっておいた方がおトク?

「子どもが1年生のときに役員をしました。学年が上がると三役にならざるを得ないので、先にやってしまうのがおススメ。上級生ママと知り合いになれ、学校の情報を得られるのは、心の準備ができてメリットだと思います」(神奈川県・52歳)

学校の様子がよくわかったり、ママ友がたくさんできるという意味では、早い段階でPTAを経験しておいてよかったという意見もありました。一方で、想像していた以上に大変だったという声も。ここからはPTAに入ってみて感じたデメリットです。

●こんなに大変とは思わなかった!PTAの苦労体験談

PTA3

「広報誌をつくる係をやりました。皆さん〆切直前になって、わが子の写真を載せてほしいとワガママを言い出して、〆切を大幅にオーバーすることになりました。もっと早く言ってほしかったです」(神奈川県・46歳)

「役員の人が攻撃的な方で、気に食わないことがあったときにやり合っているのを見ていて、ゾッとしました。なんのためにやっているのかの根本がわかっていないんだろうなぁと感じました」(神奈川県・41歳)

「役員になると自分の子どもを留守番させて、会議に出席したり用事がたくさんあり大変でした。なんのためのPTAか分かりませんでした」(大阪府・46歳)

「入ってよかったことはないです。PTAはいいイメージがないです。自分は持病をもっているので、役員などは正直心身ともに負担。でも役員は義務だし、事情を知らない人は『できるよ、そんなしんどくないよ~』といってきます。できる人で勝手にやってほしい。手伝いをしたくないわけではないのですが、義務だと言われるのは正直しんどいです」(大阪府・42歳)

●ボランティア精神にも限界がある…

「無賃なのに頑張らないといけないことが多すぎます。逃げきる人もいて不公平」(東京都・38歳)

「仕事の多い委員会に入ったときにランチの時間にかぶるので、ランチ代がかさみました」(東京都・39歳)

仕事の時間を削りながらPTAに参加しているという人も。ボランティアなのに、けっこう頻繁に集まったり、連絡を取り合ったりせねばならず、保護者の負担はかなり大きい様子です。一方で学校によってはPTA活動にあたる親の手助けをあてにしてイベントを実施しているケースも。PTAというシステム自体の根本が少しずれているのではないかと考えさせられてしまいますね。

●地域によってはさらに大変なケースも

「PTAは地元ならではのどんどやきの藁山つくりという行事をこなさないといけないです」(熊本県・48歳)

「学校行事について、地域の人やOBがうるさく言ってきます」(和歌山県・45歳)

●コロナの影響を受けてPTA活動が縮小…

入学

「今年息子が入学でしたが、結局コロナでPTAの行事はなにもありませんでした」(群馬県・39歳)

「子どもが幼稚園の年長のときにPTA会長でした。コロナ禍でほとんど行事もなく、卒園式での挨拶(毎年会長が泣くのが定番らしい)も気が重かったのですが、式自体が簡略化されてそれもなくなったので、すごくラクでした」(静岡県・34歳)

多くの学校において、コロナの自粛の影響を受け、PTA活動自体がかなり制限されていたようです。「PTA活動のなかにはやらなくてもよかった内容も多く、これを機にもっと簡素化されてほしい」という意見もありました。

 

子どもたちの学校生活をよくしたいという思いは学校も保護者も同じはず。子どもたちのためになにをしてあげられるのか。古いルールやアナログで非効率的な作業は改めながら、本来のPTAの目的を時代に合わせてアップデートさせるときが来ているように感じます。