Case3. 平屋にロフトをプラスすれば、のびのびとした空間が生まれる!
こちらも夫婦と幼い子ども2人の4人家族のお宅です。家を建てるにあたって、実現したかったことは、「明るく風通しがよく、緑を楽しめる家」「家族が1日の大半をLDKで過ごせる家」「年を重ねても住みやすい家」ということ。とくに平屋にこだわっていたわけではありません。
しかし、建築家から提案されたのは、敷地に余裕を残しながら建つ平屋の家でした。
すべての画像を見る(全23枚)庭には芝生が広がっています。芝生の中央は造園家の提案で、砂場も設けられました。
「子どもたちが外で遊んでいても姿が見えて安心。目が届きやすいのは平屋のメリットですね」と、妻もにっこり。
LDKに面した南側の庭には、フルオープンになる開口の外に、L字型の建物に沿ってデッキが渡されています。
デッキを介して庭とつながるLDK。大きなワンルームで一部ロフトつきの大空間です。ロフト床がかからないDKは天井高が高く、なんとも広々しています。
平屋ですが、ロフトがあることで空間に立体感がでました。また、2階のような隔たりがなく、空間がより広く見えます。
ロフトは現在、夫の専用スペースになっています。
子ども室の前にロフトへのハシゴがあるので、子ども室の延長になる可能性もありそうです。
ロフトにいても、キッチンにいても常に家族のつながりが感じられる平屋の家。子どもたちもおおらかな環境で、すくすく育ちそうです。
設計:悠らり建築事務所事務所(安藤亨英+安藤節子) 撮影:日紫喜政彦
Case4. 延べ床77.5㎡の平屋。部屋も間仕切りもないから広々&超快適!
平屋戸建てるとなると、広い敷地が必要と思っていませんか。そんなことはありません。
4人家族で暮らす、延べ床面積77.5㎡の平屋をご紹介しましょう。部屋も間仕切りもつくらないことで、コンパクトな敷地でも、快適な暮らしを実現することができた好事例です。
こちらが外観です。横に停まっているクルマと比較すれば、家のかなり小さいことがわかると思います。
しかし、家の中に入ると、家族4人が思い思いにくつろげる空間が広がっています。
その外には、近隣からの視線を気にせずに過ごせる庭があります。壁で囲ったのは、飼いネコが脱走しないようにという理由からでしたが、家族にとっても、この庭は憩いの場になっています。
「予算の上限をはっきり決めていたので、こんな広くて豊かな家ができ上がるとは思っていませんでした」(夫)。なんと本体工事費1600万円で建てた平屋です。
床面積77㎡は、夫婦と子ども2人の住まいとしては決して広いわけではありませんが、建物の南面を占めるLDKは奥行きもあって広々とした印象。しかし、よく見るとリビングの奥には、子ども用ベッドが左右に振り分けて置かれています。
「間仕切りがないから、どこまでがLDKでどこからが子ども部屋か、ぱっと見にはわからない。広々と暮らす秘密はこれです」(夫)
シンプルな長方形の平屋と素材の共通化でコスト効率を実現。また、珪藻土塗りの壁面はすべて建主夫妻が左官仕事をして、職人の手間代を省いています。
外部から閉じた庭には、手入れが必要になる植物は植えず、もっぱら家族の遊びの場として使われています。
モルタル敷きの土間空間が、室内と室外をあいまいにつなぐプラン。これも、広く感じられる仕かけになっています。土間の突きあたりは玄関ですが、段差はなく土足の領域もゆるやかになっています。
「家族の仲がいいから、部屋も間仕切りもいらない」と割りきったから実現できた、小さくても狭さを感じさせない平屋です。
設計:蒲牟田健作(COGITE) 撮影:中村風詩人