造作キッチンの「背面収納(カップボード)」を解説
すべての画像を見る(全32枚)キッチン背面収納(カップボード)は、上部、中央部、下部に分けて考えます。
中央部は家電スペースにするのが一般的。ちょうど家電を使いやすい高さとなります。ここでは奥行600㎜のカウンターに電子レンジ、トースター、炊飯器などを置いています。
左側の余白スペースには小さな棚を設け、コーヒーやお茶を飾りながら収納しています。
カウンター下部は奥行600㎜と深いスペースのため、ここでも引き出し収納をメインにして奥の物まで出し入れしやすくしています。
上段と中段は浅型にして食器類を。
下段は深型にして大きめの食器や保存容器類を入れています。
住まい手の要望により、引き出し収納の脇には扉つきの棚収納も設けました。
内部には米びつ、まな板、お盆などを収納しています。住まい手の使い勝手に合わせて、こういった収納を自在に計画できることも、造作キッチンの魅力です。
上部はつり戸棚。こうした高い位置は、引き出し収納にできないため(引き出しにくいため)、棚収納となります。奥行きを350~400㎜程度に抑えた収納とし、出し入れしやすさに配慮しています。また、奥行きを抑えることで、圧迫感も軽減できます。
つり戸棚の最下段は、手の届く部分なので日常使う食器を。
2段目から上は、イスや脚立に乗って出し入れする部分のため、使用頻度の低いキッチン用品などを入れています。
造作キッチンにあるといい、パントリー収納を解説
このお宅はリフォーム(改修)の事例です。スペースの制約から、部屋としてのパントリーを設けることはできませんでした。その代わり、コンロ裏のスペースが余ったため、ここにパントリー収納を設けました。
内法幅340㎜で縦長の引き出し収納。ここに食材などを収納しています。
足元は台車がついていて、ワゴン式になっています。
リフォーム(改修)では、とくにスペースに制約のあるキッチンづくりとなることが多いもの。こうしたスペースに、ぴったり合わせた収納家具を計画できる点も、造作キッチンのメリットです。
在宅ワークや巣ごもりで、キッチンのあり方が変わる
在宅ワークや巣ごもりで家族の在宅時間が増えてきた昨今。「家族みんなで料理できるキッチンをつくりたい」「LDKの使い勝手や収納を見直したい」というニーズから、住まいの新築やキッチン回りのリフォーム(改修)を考える方も多いでしょう。
家族によって、思い描くキッチンのあり方は異なるもの。そんな細やかな要望をかなえる手法として、造作キッチンは一考の価値ありです。家族の暮らしぶりに寄り添って考えてくれる設計者に相談できれば、きっと心弾むキッチンづくりができるでしょう。