ついつい他人と自分を比較して、「私なんか…」とネガティブになってしまうことはありませんか? うつ専門メンタルコーチで、公認心理師の川本義巳さんによると、「相談でも多いこの思考は、クセになってしまうとメンタルに影響してしまいます」と警鐘を鳴らします。どうすれば他人を比較することをやめられるのか、詳しく教えてもらいました。

イラスト他人との比較
他人と比較しては自分を責めてしまう。そんな悩みありませんか?
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他人と比較してしまうクセをやめたい。自分のことに上手に集中するコツ

相談に来る人の中に「他人と比較して自分を責めてしまう」という人がいます。

「自分と比較して、幸せそうに見える人がいると、つい『自分はダメだ』とか『恵まれていない』と考えてしまう」というのです。これはだれにでもあることだと思うのですが、単純に「うらやましい」「ああなりたい」くらいなら問題はないでしょう。それが「ああなれない自分はダメな人間だ」とか「自分は恵まれていない、愛されていない」と自分を責めてしまうのは決して得策ではありません。

この流れでさらに「あの人が幸せなのは許せない」とか「失敗すればいいのに」という思考になってしまうと、メンタル的にはさらによくない状況になってしまいます。この問題ではっきりわかっていることは「それを考えたところで状況は変わらない」ということ。もちろん、それはみんなわかっています。だからしんどいんですよね。

●比較をやめるとメンタルが安定してくる

じつはかくいう私も以前はそういうことばかり考えていました。つねにだれかと比較して「あいつはいいよな」「なぜ僕はできないのだろう」「そもそも生まれ持ったものが違うのだろうなあ」みたいなことばかりを考えていました。コーチになってからもそれは相変わらずで、成功しているコーチと比較して、落ち込んだり、ひがんだりを繰り返していました。当然、自己肯定感は下がる一方ですし、状況が好転することもありませんでした。

 

それがここ数年、「他人と比較する」ということをしなくなりました。その結果、メンタル的にはとても安定するようになり、色々な面がうまくいくようになりました。自分としては「他人と比較するのをやめよう」と決意したわけではありません。自然とこうなったようなイメージです。そこで「なぜ比較しなくなったのか?」いついて考えてみたところ、意外なことがわかりました。それは「自分のことを一生懸命考えているので、他人にかまっている暇がない」ということでした。