●ひとつだけ「頼み事」を添えると有効

頼み事をする嫁
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NOと言って母親を傷つけたくない。そんな風に感じたときのポイントは、ひとつだけ頼み事をすること。頼む言葉はなんでもいいので、「明日の朝、モーニングコールかけてくれる?」、「母さんのみそ汁が飲みたいな。それだけお願い」、「スポーツドリンク、買ってきてくれる? 悪いけど、それだけお願い」などの一言を添えるだけで、母親の心はグッと明るくなるのだとか。

世話をしたいというのは、長く生きてきた女たちの本能であり、悲願です。お腹のすいた子が『食べたい!』と腹の底から思うように、アスリートが『勝ちたい!』と腹の底から思うように、母たちも『世話したい!』と腹の底から思っているのですから。つわりや病み上がりに、母や姑が押しかけて来るのなら、『来ないで』と言うよりは『一つだけ、頼みごと』をして退散させるほうがラクです。『来ないで』と言ってしまうと、心配する電話やメールの回数が増えるので、これも厄介ですから」

 

●姑の場合は、息子である夫から言ってもらうのがいちばん

実の母ならば言いやすい言葉も、姑だとなかなか言いづらい。余計な蒸し返しやおせっかいを姑から言われた場合は、夫、すなわち姑の息子から「NO」を言ってもらうのがおすすめです。黒川さん自身も、息子さんの妻であるお嫁さんがかわいくて、ついついかまい倒してしまったところ、息子さんから釘を刺されて、気がついたこともあるそうです。

「お嫁さんが、私の趣味である社交ダンスにもハマってくれて、思わず私もいろんなところに連れ回すように。すると、息子から『彼女はね、母に誘われると断れないんだよ。で、ちょっと無理して、それが後でストレスになっちゃう。楽しいこととはいえ、あまり誘わないで。彼女が自発的に行きたいと言ったときだけにしてあげて』、『彼女はね、自分のペースでやりたいんだよ。失敗したって、それも楽しいわけ。言いたいことがあるだろうけど、口を出さないで、見守ってあげてね』と言われて。それを息子が言ってくれなかったら、『適正の距離感』がつかめなかっただろうといまでも思っています。だから、息子の一言には本当に感謝しています

 

母や姑も、子どもたちを困らせようとしているわけではありません。むしろ、好意から出た言動であることも多い。だからこそ、なおさら自分の負担になるものは無理に我慢せずに母や姑に伝えるほうが優しさなのかもしれません。

黒川伊保子さんの書籍『母のトリセツ 』(扶桑社刊)では、母親とのコミュニケーションについての幅広い対処法を紹介しています。ぜひご一読ください。

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