「ポイントは、『続きがしたくて(読みたくて)(観たくて)我慢できないの。ごめん!』と走り去れる趣味を持つこと。自分の話ができれば、暗黙の裡に、『私は、だらだら話を聴いていられる人間じゃない』ことを知らせることができます。愚痴話には、出口がない。解決法を提案しても、必ず、それがうまく行かない話を見つけてくるのですから。愚痴話の出口は『解決』ではなく、別の話題へのジャンプだけ。こちらの話に誘導して、『じゃあね!』と終わりにしてしまえば、一丁上がりです。自分を守るために、自分の話ができる人になりましょう」

 

●ネガティブな人はポジティブな人とは一緒にいられない

 

しかし、それでは「うちの子どもは愚痴も聴いてくれない」と母親から恨まれるのではないかと心配になる人もいるかもしれません。ただ、その心配は不要だと黒川さんは続けます。

「大丈夫です。こういう人は、ほどなく、ほかの『気持ちよく愚痴を聞いてくれる人』に寄生していきます。ネガティブな人は、ポジティブな人と一緒にいられないので、向こうから疎遠になってくれるはずです。ネガティブ・マザーも、その場では寂しがるし、かわいそうな気がするかもしれないけど、けっこう大丈夫です。また、母親の場合は、子どもの『前向きの人生』に触発されて、自分も前を向こう、と思ってくれる可能性もあります」

電話をする母
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そして、もしも、子どもの人生だけが充実していることに嫉妬する母親ならば、「本気で捨てることも考えたほうがいい」と黒川さん。

「たとえ、母親を傷つけても前向きで、好奇心にあふれた日々を過ごすこと。これが、対母親に限らず、ネガティブ・オーラにからめとられない、唯一にして最大の手段です。覚えておいてください」

 

●「母親を幸せにする」導入を心がけて

 

それでも母親の愚痴電話に悩まされている場合。対策としては、電話の冒頭に「母親をいい気持ちにさせること」。

「母親だって本当は、娘や息子とせっかく電話するならば、『しみじみとした優しい対話』がしたいと思っています。それなのに、なぜか、話が愚痴や指図になって、子どもがドン引きして終わることになりがちです。それを防ぐには、電話の最初に、母親をいい気持ちにさせてあげましょう。たとえば、『母さんの声が聴きたかったの』と言うと、母親も『私もよ』と答えてくれるはず。その後、『なにか美味しいもの食べた?』、『庭のボタンが、そろそろ咲いたでしょ?』などと、相手の『ほんの少しのいいこと』を引き出していきましょう」

年始で家族とのコミュニケーションがある場合は、ぜひ参考にしてみては?

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