ファッションの世界では、秋物が立ち上がり、ワクワクする時季。でも新作アイテムに飛びつく前に、クローゼットの整理をしてみませんか?
「お客様のお宅に伺い、片づけ作業を行っていますが、おしゃれが好きなのに『クローゼットがいっぱいで、服が入りきらない。探すのが大変で着る服がない』という矛盾を抱えている方がとても多いです」と話すのは、ライフオーガナイザーの田川瑞枝さん。
ここではクローゼットの中身を厳選し、不要な服を罪悪感なく処分するためのコツを教えてもらいました。
「何年着ていないか」ではなく「何年着たか」の減価償却の観点を取り入れる
洋服の数が多いということは、それだけ衣類への関心が高く、おしゃれな方が多いのです。それだけに、クローゼットがパンパンなのはもったいないこと。
処分するルールとして、「1年着ない服は手放す」とよく聞きますが、抵抗を感じる方もいるかもしれません。
1年は意外にスパンが短く、私自身難しいと思います。
「1年着ない服は手放す」というルールは、あくまで人の決めた基準。そこで、自分の基準を決めるのがコツです。
私は3つの基準を定めたことで、適正量のクローゼットを維持できるようになりました。
(1)流行の服は1年で着倒す
(2)減価滅却の観点をもつ
(3)格下げ制度を導入する
この3つの基準について、詳しく説明していきましょう。
●(1)流行の服はその年に着倒し、クリーニングにも出さずに処分
毎年、新たに流行が生まれます。次の年には着られなくなるような流行色の強いモノは、その年のうちに着倒すというくらい着て、消費するといいでしょう。
私の知人にモデルさんがいます。オシャレな洋服をたくさんもっているのだと思っていたら、「気に入った洋服を何度も着て、その年のうちに処分するから、本当に少ないんです」と言っていました。
おしゃれな人ほど厳選した洋服をもち、しっかり着倒すのだと感心しました。
それからは、私もその年のマイベストを決めて、制服のようにして着ることにしています。
「今日は何着よう?」と迷う事もなくなり、ほつれるまで着ることも! クリーニングに出すことなく処分するので、手間も省けました。
●(2)「○年着たら処分」という減価滅却法を導入する
まだまだ着られると思っていたら、なんだか顔色がさえない、最近出番が少なくなってきたという服はありませんか?
以前は似合っていたけれど、年齢によって似合わなくなってきた可能性があります。
また「体型が変わらないから何年も着続けているけど、よく見たら生地が薄くなっていたり、傷んだりしている」という服もあるかもしれません。
そうはいっても高価な服、ブランド服などはなかなか処分できないもの。
そんなときは、「○年着なかったら処分」ではなく、「○年着たら処分」という“減価償却法”を取り入れてみませんか?
「年相応の服」というと老けた気がしますが、無理して若づくりしなくても、今の自分に必要な服ではなくなってきたと考えましょう。3年、5年、10年など、自分なりの基準を見つけて、減価償却法で考えると、潔く手放せますよ。
●(3)格下げ制度を導入する
セーターなど、気づいたら細かい毛玉ができていることもあります。
気に入っている服であれば、外出用ではなく、「ご近所服」に格下げしましょう。コンビニでの買い物やゴミ出しなど、家の近くに出かけるとき用の服にするのです。
「部屋着から着替えるのは面倒」と思うかもしれませんが、どこでだれに会うかはわからないもの。ON/OFFのきり替えとして、また身だしなみとしておすすめです。
基準は自分で決めていいのです。もったいないからと、いつまでも着ない服をクローゼットに押し込めていると、収納がたりなくなるという問題が発生してきます。
今ある暮らしに最適な数の衣類で収まるように、暮らし方と思考を変えていきましょう。