玄関は、訪れた人が最初に目にする「家の顏」。しかし、生活感が出やすく散らかりがちな場所でもあります。この問題を解決してくれるのが土間収納。ベビーカーや重たいアウトドア用品なども、玄関近くに土間収納があれば、すぐに出し入れができてとても便利です。 「間取りを工夫すれば、土間収納は1畳ほどでも十分」と言うのは、一級建築士の守谷昌紀さん。自身が設計した4つの事例をもとに、使いやすい土間収納の間取りとポイントを解説してもらいました。機能的な玄関回りの収納は、快適な暮らしを実現する第一歩です。
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事例1.家族専用の通路とつながる機能的な土間収納
こちらの家は、玄関のすぐ横に1畳弱の土間収納があります。
土間収納奥の扉は、SKシンク(掃除用のシンク)があるサービスヤードとつながっています。ですから、子どもの靴が泥んこでも、すぐにつけ置き洗いができます。
土間収納の魅力は、なんといっても簡単にふいたりはいたりして掃除できることです。少々の汚れはすぐに解決できます。
この家の土間収納は、長靴やベビーカーを収納し、上部にはアウター類をかけるハンガーパイプを設置しました。
その向かいには、濡れた傘をいったんかけておけるハンガーも。このような場所をつくっておくことも重要なポイントです。
「土間収納→シューズクローク→玄関ホール」と回遊できる間取りになっていますが、引戸で目隠しできるよう工夫しました。
土間収納スペースから、家族専用の通路に上がることができます。
アウターをかけ、手洗いうがいをし、シューズクローク、クローゼットに身につけていたものを収納してLDKへ。そんな動線を想定しました。
上の写真は玄関ホール。土間収納と家族専用の通路をつくったことで、スッキリとした空間になりました。玄関をまっすぐ進むとホールを通ってLDKへとつながります。
こちらはLDK側から玄関を見た写真。写真左手の小さなドアの奥が、玄関土間、クローゼットをつなぐ家族専用の通路です。
出かけるときは、反対にアウターと靴を選び、土間収納へ抜ける動線になります。
土間収納裏には有孔ボードを設置しました。外出時に帽子や鍵を忘れたと取りに戻る必要もありません。2本ある動線と土間収納が、玄関回りをいつも美しく保ってくれます。
事例2.駐車場ともつながる階段下を利用した土間収納
2つ目は、駐車場奥からも使える土間収納です。
階段下に勝手口があり、その横に半畳程の土間収納をつくりました。水などの重いストック類や、アウトドア用品を収納しています。
アウトドア用品はクルマのトランクに直接積み込めますし、帰省などの荷物が多いときは、こちらのルートから運べば動線は最短になります。
駐車場とつながる土間収納が、プラスアルファの価値を生んでいるのです。