●発達障害になってから、仕事ができる人ほど頼るのが上手だと学んだ

そして、銀河さんが周囲の人を注意深く観察するようになってから、新たに気がついたのは「仕事ができる人ほど人に頼るのが得意である」ということ。

「以前は、『人に頼る=できない人』と思っていた私ですが、観察を続けた末、仕事ができる人ほど、人に頼るのが上手であると気がつきました。それ以降、できないことは他人にまかせる。頼むときも、できるだけ『その人だからこそ、これをやってほしい』という理由を丁寧に伝えるようになりました。

さらに、重要なのは、相手とよい関係性を構築していること。人に上手に頼る人ほど、人に頼られる人でもあります。もしも、自分が他人から頼られた場合は、基本的には二つ返事でOKします。発達障害の人は、あれやこれやと条件を考えて、受けていいか悩んでしまいがちなため、なにかを頼まれたとき、最初の返事の歯切れが悪くなってしまう傾向があります。

しかし、頼む方は、急ぎで困っているから頼んでいるので、歯切れの悪い返答はいちばん対応に困ります。だから、最初に気持ちよく『あなたの頼みなら大丈夫です!』とOKして、相手に『自分は仲間であって、相手に好意を持っている』ということを暗に伝えるようにしています」

その後、細かな状況を聞いてみて、どうしても自分の手にあまりそうな頼みごとだった場合は、「ここまでならできます!」と自分から代案を提案するようにしているとか。

「発達障害の人は、一度覚えたパターンをやり込むのは得意な傾向があります。だから、トラブルが起こりがちなケースの対応策をパターンとして認識して、それを自動で繰り返せば、『仕事ができる人』という評価をもらうことも可能です。ぜひ、自分の発達障害を『弱点』と考えず、『強み』ととらえて、日々の生活に活かしてほしいです」

銀河さんの初の著書『

「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本

』(扶桑社刊)では、銀河さん自身が実践する、発達障害ならではの個性を強みに変え、日常生活や仕事などに活かしてきた秘訣が、数多く記載されています。ぜひチェックを。