死因不明の遺体から“生きた証し”を見つけることで、遺された人々の心を救っていくヒューマンドラマ『監察医 朝顔』。上野樹里さん演じる主人公の法医学者・万木朝顔と同じ法医学教室に勤める法歯学者・藤堂絵美を演じているのが、平岩 紙さんです。

2019年夏に放送した第1シーズンに続き、昨年秋から半年にわたり放送している第2シーズンにも出演。共演者はすっかり家族のようだと言う平岩さんに、役づくりや作品の魅力を伺いました。

平岩紙さん
平岩紙さんインタビュー
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ドラマ『監察医 朝顔』平岩紙さんインタビュー

「こんなに長く1つの役柄を演じられることが、なによりうれしいです。仕事に行くというよりも、みんなに会いに行く感覚の方が大きくて、まるでもう1つの家族みたい。だから、ドラマのなかで仲間に悲しいエピソードがあると、すごく悲しいし、普段は泣く演技が得意ではないのですが、自分でも不思議なくらいぽろぽろと涙が出てきてしまうんです」

絵美は、著書がベストセラーとなり、今や売れっ子の法歯学者。同僚の法医学者・藤堂雅史(板尾創路)とは夫婦で、小学5年生の息子・大輔(小山春朋)がいます。竹を割ったような性格で、完全に夫を尻に敷いている、という女性です。

●板尾さんは、すごく居心地のいい、絶妙な距離感でいてくださる方

「絵美は、答えがはっきりしているし、言いたいことを言う人。潔いから演じていて気持ちがいいです。藤堂家については、家のシーンがまったく出てこないので、法医学教室の中だけで夫婦感や家族感みたいなものが出せるといいなと思うのですが、いまだにうまく出せているかどうかわかりません(笑)。板尾さんは、すごく居心地のいい、絶妙な距離感でいてくださる方。母親は未知の世界なので、現場に来ている春朋くんのお母さんを観察しています」

ご自身はこう謙遜しますが、板尾さんとの不思議な夫婦感や、厳しいながらも愛情あふれる大輔との会話は、平岩さんだからこそつくり出せる空気。どんな役柄も自然体で演じながら、独特の存在感を放っています。その素顔に興味が湧き、ご自身の性格を分析してもらいました。

「気がついたら、すぐやるんですけど、気にならなかったら全然気にならなくて、基本、グータラだと思います(笑)。でも、変なところで正義感が強かったり、しっかりしてそうとか言われるけど、優柔不断で迷ったりすることもあって…自分でもよくわからないです。ただ、子どもの頃から自分の好きなものにはのめり込むタイプでした」

●普通の生活がいかに大切で宝物か。そんな作品に出演できるのは幸せです

そんな平岩さんが感じる、『監察医 朝顔』の魅力を聞いてみると…。

「食事をつくって、布団を干して、洗濯物をたたんでなど、なにげない日常生活を丁寧に描いているところが好きです。毎日の普通の生活がいかに大切で宝物なのか。そういう作品に出演させていただけるのは幸せです。最後まで見守っていただけたらうれしいです」

脚本や演出だけでなく、演じる者たちの人柄までが、作品を構成する大事なピース。だからこそ、心に響く作品なのでしょう。

『監察医 朝顔』(第2シーズン)

毎週月曜 夜9時
フジテレビ系 全国ネット放送中

公式サイト

【平岩紙さん】

1979年、大阪府出身。2000年、大人計画に参加。コミカルからシリアスな役まで幅広い演技力で活躍。おもな作品に、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』、映画『閉鎖病棟-それぞれの朝-』など。現在、ドラマ『俺の家の話』に出演中。インタビュー番組『SWITCHインタビュー 達人達』ではナレーションを務める