●ますます「ケチ道」を極めることに

ロールブラインド
ガラス戸にはロールブラインドをつけていますが、昼間は全開に。外は雑木林でのぞかれることもない立地ですが、気になるので目隠し代わりに手づくりしました
すべての画像を見る(全6枚)

70代に差し掛かって本格的に「ケチ道」の腕を磨かねば、と一念発起。その様子を「おひとりさまのケチじょうず」という本にまとめたところ、雑誌の取材の申し入れが来るなど話題になりました。

小笠原さんが心がけている一番大切なことは「みじめにならないこと」。1日に使えるお金は1000円ですが、おしゃれだって楽しみます。いえ、1日1000円生活でも「楽しめる」んです!
そんな小笠原さんの暮らしぶりの一端を、ご紹介しましょう。

・セロハンテープは捨てない!

冷蔵庫脇にストックしているセロハンテープ
冷蔵庫脇にストックしているセロハンテープたち。最終的にゴミになるまえに、もうひと働きしてもらう。小さい事でも毎日積み重ねれば効果はあります

買ってきた物についているセロハンテープなどは、はがしたあと、冷蔵庫にセットした透明板に張りつけてとっておきます。生ゴミはスーパーでもらった薄いビニール袋に入れ、水分をしっかり絞ってできるだけ小さくまとめ、この「中古のセロハンテープ」でぎゅっと封をします。

食品のパッケージ
食品のパッケージも捨てません! ラップ代わりに使ったり、切った野菜をちょいと仮置きするのに重宝します。オシャレなシリアルの箱は折りたたんだビニール袋のストッカーに

これを自治体指定のゴミ袋にためるようにすれば、小さな袋でも一杯になるまでに当分かかるほど、ゴミを減らせます。

・果物や野菜は皮ごと・種だって食べます

果物の皮は大抵、食べられます。苦みがあったりして「おいしくない」場合もありますが、栄養たっぷり。ピーマンも種ごと。カボチャの種は周りについた繊維質がおいしいし、硬い種は干してからフライパンで炒るとおいしく食べられます!

・永遠のひと鍋料理!

お鍋を洗わず、毎日具材をたし、少しずつ味を変えながら料理を「リレー」する、それが「永遠のひと鍋」。もとより濃い味つけが苦手なので、調味料はほとんど使いません。

たとえば、
1の鍋:白菜と豚肉をショウガや昆布と煮ます。これを一食分より少し多めにつくっておくのが一日目。
2の鍋:二日目は少し残しておいた「1の鍋」に鶏肉とネギを追加…この調子で少しずつ材料をたし続け、素材に合わせて味つけも少しずつ変えてゆきます。

・今の自分に似合う服を着る!

お金のかかる白髪染めやパーマはナシ。身なりはきちんとしたいから、2か月に一度、格安カットのお店で整えます。服も「顔のそばに白い色を持ってくるなど、白い髪に似合うコーディネートを考えます」。

さすがは長年アートのお仕事をしてきただけあって、小笠原さんは本当におしゃれ!
お兄さんのお下がりのニットをリメイクしたり、リサイクルショップで掘り出し物を見つけたり、上手におしゃれを楽しんでいます。

本やクッション
作家さんの作品集など、好きな本を置いているくつろぎコーナー。シートカバー代わりにしているエスニックな布はもとはスカートだったもの。雑貨やクッションの配置に、美的センスが光ります

「ケチ」というと、なんだかしみったれて、悪いことのように思いがち。ですが、日々の暮らしを丁寧に見つめなおして、いらないものにまでお金をかけていないかどうか見直せば、自然とケチカロジーになれるのかも?
センスよく、日々の暮らしを楽しむ小笠原さんの「知恵の絞り方」を拝見していると、そんな風に思えてくるのです。