●9歳以降は文字情報での「冒険ファンタジー」に触れさせよう
では、9歳以降の息子をもつ場合、どんなことをすると才能豊かな子に育つのでしょうか。その方法のひとつとして、黒川先生が挙げるのは「冒険ファンタジーを読ませること」です。
「9歳の誕生日から12歳の誕生日までの3年間は、脳のゴールデンエイジと呼ばれています。この時期は、脳が神経線維ネットワークを劇的に増やす時期。脳の神経線維ネットワークは『頭のよさ』『運動神経のよさ』『芸術センス』『コミュニケーションセンス』『戦略センス』などといった、あらゆるセンスのよさの源で、眠っている間に起きている間の経験を源にしてつくられていきます。
その際、日常生活の経験だけでは、刺激がたりません。だから、冒険ファンタジーを読んでもらうことで、脳に刺激を与えてあげましょう。映画やゲームなどの映像もいいですが、文字情報をイメージに変換させる能力は、脳のあらゆる場所を刺激して成長させます。だから、冒険ファンタジーを読ませることが重要なのです」
●子どもを一流にさせるためにやってはいけないのは「結果に一喜一憂する」こと
また、子どもを一流に育てるうえで、絶対にやってはいけないこと。それは、親が子どもの結果にコミットしすぎることです。
「私の友人に伊藤佳子さんというプロゴルファーの方がいるのですが、その方は指導者としても非常に優秀な方で、彼女の開催するゴルフ教室は大人気です。幼児向けの教室は数年待ちだとか。そんな彼女に『どんな子がトッププロになっていくの?』と聞いたところ、伊藤さんは『だれにでもチャンスはある』と言いきりました。しかし、『こういう親の子だけは、一流になれないという親はいる』とつけ加えたのです。その答えは『結果にコミットしすぎる親』とのこと。『親が結果に一喜一憂すると、子どもは失敗を恐れるようになる。親は子ども以上にがっかりしたり、有頂天になってはいけないのよ』と彼女は語っていました」
私たちの脳は失敗して痛い思いをすると、その晩、眠っている間に、失敗を使った関連回路の閾値(生体反応を起こすきっかけの最低ライン)を上げて、神経信号を届きにくくさせるのだとか。すると、その回路は「とっさに信号の流れにくい場所」になって、失敗しにくい脳になるのだそうです。
「息子を一流に育てたければ、過度に失敗を恐れないこと。これは息子を想う母親にとって非常に勇気のいることですが、結果にはこだわらず、息子にはどんどん失敗させた方がいい。それが、打たれ強くて柔軟な考えをもつ、一流の男を育てるための秘訣なのです」
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