後半に突入した『監察医 朝顔』(第2シーズン)。死因不明の遺体から“生きた証し”を見つけることで、遺された人々の心を救っていくヒューマンドラマです。主人公の法医学者・万木朝顔(上野樹里)と同じ法医学教室に勤める安岡光子を演じているのが志田未来さん。
「このドラマの大好きなところは、登場人物たちが、まるで本当に生きているかのように感じられる空気感です。みんなが生きている世界を最後まで見届けていただけたらうれしいです」と語る志田さんに、役づくりや撮影の裏側について取材しました。
『監察医 朝顔』(第2シーズン)志田未来さんインタビュー
光子は、第1シーズンでは、なんでも思ったことを口にする医学部生で、法医助手のアルバイトでしたが、朝顔たちの影響で法医学の道に進み、今では法医学者として「光子先生」と呼ばれるまでになっています。
●この作品で、もっとも成長が感じられるのは、私が演じている光子だと思っています
「第1シーズンで、初めて司法解剖に入った光子は、白目をむいて倒れたんです(笑)。そのときは、まだ法医学の重要性が全然わかっていなかったのですが、回を重ねるごとに成長し、今では法医学者となりました。この作品で、もっとも成長が感じられるのは光子じゃないかと思っています。そのために、落ち着いたトーンで話したり、状況を説明するときは専門用語に慣れているように見えることを意識しています」
今では、すっかり朝顔のよきパートナーとなった光子。解剖シーンでも頼もしい存在です。遺体についている虫から死亡推定時刻を割り出すなどの“法昆虫学”を勉強しているエピソードも描かれました。
「法昆虫学のことは、いきなりで驚きました(笑)。でも、光子は朝顔先生や法医学教室のメンバーを見ていて、自分もなにかひとつ得意なものがあったら力になれるのではないかと、こっそり勉強していたのではないでしょうか。解剖シーンの撮影では、普段使わない単語がたくさん出てくるので、頭をフル回転させないと、『ここでどう動いてなんと言うんだっけ?』と、わからなくなってしまうんです。撮影が終わるとぐったり疲れるので、帰宅後はよく眠れます(笑)」
●収録が終わってから帰るまでが、みんな早いんです(笑)
一方、法医学教室でのシーンは、明るくテンポのいい会話が飛び交います。上野さんや山口智子さんを中心に、個性豊かなキャストの方たちが、重くなりがちな作品に温かな雰囲気をまとわせています。
「重いシーンが多い作品なので、法医学教室ではできる限り普通の日常感を出せればいいなと思って、意識して明るく演じるようにしています。それでも、ご遺体と向き合うシーンが多く、朝からスタジオにこもって濃厚な時間を過ごしているので、『外の空気が吸いたくなるね』と共演者の皆さんと話したりも。だからなのか、収録が終わってから帰るまでが、みんな早いんです(笑)」
穏やかに語る言葉の端々から明確な役へのアプローチや深い分析力をのぞかせる志田さん。27歳にして女優歴21年。実力派といわれるゆえんがわかった気がします。
『監察医 朝顔』(第2シーズン)
毎週月曜 夜9時
フジテレビ系全国ネット放送中
【志田未来さん】
1993年、神奈川県生まれ。2006年、主演ドラマ『14才の母』で注目される。’10年、映画『誰も守ってくれない』で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。近作に、ドラマ『美食探偵 明智五郎』、連続テレビ小説『エール』など。現在、ショートアニメ『実験都市DIVERCITY』で声優を務め、ドラマ『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』に出演中