片づけの前に確認すべきことは、2点。

「そもそも両親に片づける意思があるのか」「片づけることに抵抗はないのか」

。また、両親の体調や考え方を知り、片づけのタイミングを計ることも必要になります。

なかなかタイミングが計れないという場合は、両親が負担にならない程度の場所を私たちが少しずつスタートさせていくのがおすすめ。今の状態で不満なく暮らしている両親だとしても、整った部屋の状態に慣れてくると今度はそれが普通となっていきます。

●賞味期限・消費期限がはっきりしているものからスタート

食品の賞味期限部分
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たとえば消費期限、賞味期限がはっきりしている食品や薬箱の中は

「期限が過ぎてるから処分しちゃうね」という言葉がけだけですんなりと手放すことができます

。私の場合、実家に遊びに行ったときにはキッチンに立つついでにさりげなく冷蔵庫や調味料などのチェックをするようにしています。

●捨て方が分からない、手配するのが面倒くさいだけの理由で保有しているものも処分

ケープ

中身が入っているスプレー缶は中身を出すのが面倒くさい。

ガラスケースに入った人形

ガラスケースに入った人形は捨てたいけど供養してくれる場所がわからない。

テレビ

使っていない電化製品や大物家具の捨て方がわからない。

わからないことはスマホなどで検索できますが、70代以上の方がインターネットを使いこなせている方はまれだと思います。

スプレー缶の中身を出して指定ゴミの日にすぐに出せる準備をしておく。人形は供養寺を見つけて手配。電化製品や大物家具はお住まいの自治体に連絡して引き取ってもらう。

なかなか行動に移せない両親の代わりに私たちが代理で動いていきます。

両親に手放す意思があるものに関しては、私たちが手放し方を調べて手配してあげる

ことですんなりと家の中からものを減らすことができます。

●意外とある!自分の荷物が実家に置きっぱなしになっていないか確認を

親が大事にしているものは無理に減らさずに残すことも考えますが、その際に必要なのが、しまうスペース。でも、肝心のスペースがない、ということも。

実家に帰ったときにぐるっと部屋の中を見渡してみて、あなたの荷物が置きっぱなしになっていませんか? 実家の片づけでよくあるのが、独立したお子さんのものがそのまま残っているというケース。

いざ片づけを始めようと思ったとき、洗面所には整髪料・化粧道具一式が残っていたり、クローゼットの中には何年前のだれの洋服? と思えるようなものが存在することもあります。

積み重ねられたたくさんのCDなど
実家に残された学生時代の収集品たち

私の実家でも、兄が思春期の頃に集めていたCD類が無造作に残されていました。こういった私たちのものが、実家のスペースを占領していることもよくありますが、親の気持ちからすれば子どものものを勝手には捨てることはできません。

自分たちのものが残っていないかを確認し、残っていればまずそれを実家から出していきましょう。

子どもの荷物がなくなると、ものを置くスペースがあいてきます。その場所へご両親が残しておきたいものを保管し、管理する場所を確保することができます。

●「片づく」ことに慣れてきたら、小さな片づけからチャレンジしてもらう

片づけが苦手なご両親には時間をかけて少しずつ部屋の環境がよくなっていることに慣れてもらいます。そしてご自身で片づける意識が高まってきたっときには、小さな場所からチャレンジしてもらうとよいでしょう。

お財布、カバンの中、キッチンの引き出し。少しずつものを手放すことに慣れてもらいます。片づけは慣れることで習慣化されていきます。

実家の片づけは短期間ではできない

ことを心得ておいてください。ご両親との関係や、ものを手放せる気持ちとの折り合いに時間がかかってしまうことがあるからです。それでも少しずつ進めていけば、必ず家の中は整っていきます。

生き方、考え方、生活習慣などは人それぞれで片づけ方もさまざま。自分たちにとっていちばんよい方法を見つけていただけたらと思います。