「片づけしよう!」と意気込んでも続かなかったり、収納本を何冊読んでも部屋がきれいにならなかったり…。何度もリバウンドすると、片づけ自体がイヤになってしまうこともありますよね。
整理収納アドバイザーでありながらメンタル心理カウンセラー、上級心理カウンセラーの資格ももつ長島ゆかさんは「がんばりすぎないことが大事」と力説します。詳しく教えていただきました。
片づけ→散らかるが永遠にループするあなたへのアドバイス
今回は、片づけの無限ループに陥っている人に意識してもらいたい3つの格言を教えてもらいました。
(1)いきなりゴールを目指さない
長島さんによると、片づけが苦手な人は「部屋をこうしたい」という理想を高く掲げすぎていることが多いそう。
「お片づけはスキルです。たとえばクローゼットを整理して何枚か洋服を手放すのがまず第一歩。いきなりインスタグラムのようなきれいなクローゼットにはなりません。その1歩をやらずに10歩進まなくちゃ、ゴールしなくちゃ、と結果を求めすぎるケースが多いのです」
そんな人は「まだまだ服が残っている」ではなく、「今日は3着も服を手放せた!」という考え方にスイッチ。少しでも実践できた、前進できたことを自分自身で認めてあげることが大事なのです。
「少しずつでも、やる前に比べたら確実に片づけは進んでいます。そんな前向きな感情のアウトプットができるようになると、片づけ=つらい、大変ではなく楽しいものに。未来への投資だと実感できるようになってきますよ」
(2)自分を追いつめない
お片づけに熱心で真面目な人ほど、「やらなきゃいけないことがいっぱいある」と、知らないうちに自分を追いつめていることがあるそう。
「名もなき家事はたしかにたくさんありますが、そういう雑務が山のようになって、大事な衣食住の家事が整えられていないケースはじつはとても多いです。やらなきゃ、と思っていることのほとんどは、じつはやめても生活に大きな支障はないもの。単なる固定観念や執着だったりします」
たとえば書類のファイリング、古タオルをぞうきんにすること、調味料を詰め替えること、もらった紙袋を保管しておくこと、レジ袋をきれいにたたむこと、季節に合わせて雑貨を飾り変えること、不要品をメルカリで売ること…。
「価値観や生活環境によって、なにを雑務と思うかは人それぞれ。だから、これらはほんの一例です。自分が楽しんでやれているならいいのですが、苦しくなったり、ストレスを感じているなら、思いきって手放してもいいのでは」
(3)やりたいことを欲張らない
時間には限りがあり、片づけにかけられる予算や部屋のスペースにも人それぞれ上限があります。
「キッチンが狭いけどおもてなし専用の器やグラスも欲しい、忙しく働いているけれど洋服は全部きれいにたたんでしまいたい…。やりたいと思っていることはたくさんあっても、すべて実現させるのは難しいですよね。そう感じたら、潔くなにかを“断つ”ことが必要ではないでしょうか」
●大事なのは、“なにをやらないか”を決めること。
「おもてなし食器を諦めたら、食器棚が処分できてキッチンが広くなるかもしれません。洋服をハンガー収納にしたら、洗濯をたたむ時間が減って精神的にゆとりが生まれるかもしれません。やりたいことを全部諦める必要はもちろんないのですが、なにかを断つことで得られるメリットも必ずあるはず!」
片づけを成功させるコツは、思考をシンプルにすることなのかもしれません。