新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、にわかに注目が集まったキッズシッター、ベビーシッターサービス。
ベビーシッターの派遣には、シッターを会社が直接雇用して派遣する直接雇用型と、利用者と登録シッターがオンライン上で直接やりとりするマッチング型があります。最近では気軽に利用できるマッチング型も増えていますが、マッチングサービスを利用した人が事件に巻き込まれたニュースもあり、不安に思っている方もいるのでは。
そこで今回は、安心してシッターサービスを受けるコツについて、直接雇用型でベビーシッターサービスを行っている「ベアーズ」取締役副社長の高橋ゆきさんに教えていただきました。
ベビーシッター派遣会社を選ぶ際の3つの心得
シッター派遣会社を通じてサービスを受ける際に、最初に考えるのは「どの会社に頼むか」という問題。
大切な子どもを守るうえで、もっともプライオリティが高いのは安心安全であること。
いざというときに焦らずすぐ頼めるように、あらかじめ情報収集して信頼できる会社を見つけ、カルテをつくっておくことをおくことをおすすめします。
実際にベビーシッターを頼むまでの流れは、会社によっても違いますが、だいたいこのようになります。
ベビーシッター派遣会社に電話/サイトから問い合わせる→事前に打ち合わせをする→契約→スタッフマッチング→希望日にベビーシッターが派遣されるまず、初めてベビーシッター派遣会社に問い合わせをする際、聞いておくと安心なことをまとめました。
事前に気になるポイントをメモとしておくこともおすすめです。
●ベビーシッター派遣会社を選ぶとき、必ず確認しておきたい3つのこと
(1)「スタッフはどんな風に選んでいるのですか?」スタッフの採用方法や研修方法について。スタッフ1人1人の資格だけではなく、人間性から今までの経歴、トラブル歴までしっかり把握しているかどうかは、会社を選ぶ段階で大切なポイントです。
会社とスタッフがクラウドだけでつながっているのではなく、定期的に面談や指導、相談できる環境なのか聞くこともおすすめです。
さらに採用の手順や、どのような研修があるのか、資格や経験の基準について聞くことは、信頼にたる企業かどうかの判断材料になります。
(2)「子どもがケガしたときのフローを教えて下さい」万が一のケガや病気などのトラブルがあった際の対処法や連絡フローについて。きちんとケアをしてくれる会社であるか確認しておきましょう。
たとえば子どもがケガや病気をした場合、
・どこの病院に行くのか事前に把握しているか。
・行きつけの病院や子どもの持病について情報がまとめられているか。
・どの段階で会社や保護者に連絡するのか。
など、あらゆる場合においてルールやフローが確立されているのが理想です。
さらに、災害や大規模な交通障害などでこちらが万一帰宅できない場合の対処法や事例も聞いてみましょう。
ベビーシッター保険・損害保険に加入しているかもチェックポイント。
担当マネージャーなど、直接の責任者の存在や連絡手段も確認しておきたいですね。
満足いくヒアリングや申し送りができる環境であるか。打ち合わせの内容や所要時間、どの段階まで無料で、どこから有料になるのかなど、気になることは早めに聞いておきましょう。
契約前のヒアリングでは、自社のPRの時間よりも、きちんと子どもについて聞き、向き合ってくれる会社がおすすめです。
時間をしっかりとってこちらの希望や子どもの特性などについてヒアリングしてくれるかという点も、ベビーシッター派遣会社を頼む際の判断基準になるでしょう。
●相性のよいスタッフと巡り合うために
相性のよいスタッフとマッチングするためには、より具体的な要望を伝えましょう。
たとえば、
・スタッフの性格やキャラクター
・年齢や子育て経験の有無
・ご自宅に犬や猫などペットがいる場合はペットとの相性
など。「求める人材像」を明確にすることが、よいサービスを受けることに結びつきます。
また、対面する機会があれば、「清潔感がある」「優しそう」「信頼できそう」などのフィーリング・第一印象も大事です。男性・女性・年配・若い人などの属性も、まず自分(そして子ども)が気に入った人優先でいいと思います。
自身がいない自宅で子どもと長時間過ごすベビーシッターさんが好きになれないと、双方にとって不幸なこと。できるだけ要望を伝え、親子ともに事前に面談できるならベストです。
●スタッフに質問&伝えるべきこと
スタッフと面談したとき、または実際に子どもを預ける際には、以下の質問をしてみましょう。
(1)なぜこの仕事をやっているのかなぜシッターの仕事をしているのか、仕事をするうえでなにを一番心がけているかなどを質問することで、働き手の意識を知ることができます。また、仕事について語っている際の表情や雰囲気から、人柄を知る手がかりにもなり得ます。
(2)持っている資格や経験よいシッターの条件は資格がすべてではありませんが、資格や経験を尋ねることで、どういった分野のスペシャリストであるか知ることができます。
会社によっては子どもの安全の確保、危機管理(室内・屋外)、応急手当と心肺蘇生、アレルギーへの配慮などを研修に盛り込んでいるので、そういった知識について聞いてみてもよいかと思われます。
(3)普段の子どもの様子やクセなどを申し送りする親と子どもとスタッフとの間に信頼関係をつくることはとても大切なので、普段の生活のなかでも子どもの特徴や、教育方針について申し送りをすることもおすすめです。
ほめるポイント、叱るポイント、子どものお気に入りのアイテムや、たとえば「緊張するとタオルを持つ」などといったクセなども含め、細かく伝えることで、コミニケーションがよりスムーズになります。
●東京都でベビーシッター利用支援事業も
東京都で待機児童対策として、都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を利用する場合の利用料の一部を助成する「ベビーシッター利用支援事業」も話題になっています。
助成金を利用すると実質負担金額が抑えられ、ますます身近になったベビーシッター、キッズシッター。比較的気楽に頼める時代になったからこそ、信頼関係を築いたうえで安心して利用したいものですね。