外に遊びに行けず、家で過ごす時間が増えてくると、ついつい子どもにスマホを与えてしまうこと増えます。いつから持たせればいいの? 時間はどれくらい? カラダへの影響は? など、子どもとスマホについての悩みは尽きません。
そこで専門家2人に「子どもとスマホ」について、気になっていることを聞きました。
子どもとスマートフォン。専門家の見解は
お話を伺ったのは御茶ノ水大学名誉教授で、子どもの発達や情操教育にも詳しい医学博士で小児科医の榊原洋一先生と、元小学校教員でスマホやSNSの安全利用について各学校を講演で回っているITジャーナリストの高橋暁子さん。
まず気になるスマホを子どもに与える時期については「これまで高校生から待たせる親が多かったところ、中学入学を機にスマホデビューさせる親が増えてきています」(高橋さん)とのことです。
●質問1 スマホを使いすぎると依存症にはならないの?
「大人でも依存症になりやすいスマホ。放っておけば当然、子どもも依存症になります。まずはスマホを渡すとき、『ルールが守れるなら使っていい』という条件に。また、『スクリーンタイム』や『ファミリーリンク』などの機能やアプリを使い制限時間などの設定をして。一度設定したらそのままではなく、こまめにチェックし、パスワードを変更したり、子どもと話し合ったりしましょう」(高橋さん)
「何時間以上スマホを使うとよくないという科学的根拠はありません。それでも幼児期の子どもが12時間寝るとして、6時間は食事や入浴などの生活に使う時間、残りの6時間が自由時間と考えると、そのうち4時間もスマホでゲームをしていたら、体を動かして遊ぶ時間がたりません。そう考えると、スマホは1~2時間までが妥当なところ。また、親がスマホでゲームばかりしていては、子どもがマネして当然です。親自身の使い方にも気をつける必要がありますね」(榊原さん)
●質問2 子どものうちからスマホに触れることで、発達上の問題はない?
「テレビと子どもの発達に関する研究は多くありますが、スマホはまだ歴史が浅く、明確なエビデンスのある研究はありません。大雑把な言い方をすれば使い方次第。長時間スマホばかり使っていれば、運動不足になるなどのデメリットもあるでしょう。また、テレビの場合はある程度内容が精査されていますが、スマホを通じて見られるコンテンツの中には、卑猥なものや残虐なものもあります。どんなコンテンツやアプリなら使っていいのか、親が制限をする必要があります。さらに5歳以下の子どもがスマホの小さな画面を見続けると、内斜視が残る可能性があるという報告も。同じコンテンツを見せるなら、できるだけ画面が大きなタブレットがよいかもしれません」(榊原さん)
●質問3 SNSでのトラブルが心配!どうすればいいの?
「まずは家族LINEで練習。コミュニケーションスキルが未発達な子どもたちにとって、SNSは危険がいっぱいです。最初は家族のLINEのグループをつくって家族だけでやりとりを練習し、慣れてきたら親の許可のもと、直接の知り合いのみ、少しずつ広げていくという方法がおすすめ。ツイッターやインスタグラム、ユーチューブ、ティックトックなど、人気のSNSでは、子どもが巻き込まれる事件も多発しています。事件のニュースを聞いたら、危険を回避するにはどうしたらいいか、その都度親子で話題にして、しっかりと話し合いましょう」(高橋さん)
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