新年を機に、自分の気になる部分を変えたいと思う方は少なくないでしょう。
とはいえ、一朝一夕で変わるのはなかなか難しいはず。どう始めたらいいのでしょうか。
変わることは楽しいこと。ワクワクしながら新しい自分を目指して
ここでは「子どもに厳しすぎる自分を変えたい」という読者の悩みについて、漫画家、エッセイストの瀧波ユカリさんに答えてもらいました。
【お悩み】人目を気にしすぎる自分を変えたい
小さい頃から、人目を気にしすぎる性格で、子育てにも自信がありません。子どもは人懐っこくて、知らない人にでもすぐ話しかけるのですが、相手が迷惑かもしれないと思い、「すみません!」と言ってすぐ手を引っぱってしまいます。もっとのびのび育てたいのに、必要以上に子どもをたしなめたり、周りに謝ってばかり。
「そんなふうじゃ、子どもが神経質に育つよ」と親にも言われますが、なかなか変われません。こんな自分を変える方法を教えてください!
●人目を気にせず行動できた自分をほめましょう
あなたの心の中には、とっても厳しい「監督」がいます。いつも一挙手一投足を監視していて、トラブルの種を見つけたらすぐに自分から謝るように迫ってくる。そのとおりにすればだいたいのことは丸く収まるので、あなたはついつい監督に従って生きてきたんです。
監督の指導方針は「自分を守るためならプライドなんて二の次。とにかく目立たず、逆らわず、強者が押しつける規範に徹底的に従え」。
これは生存戦略としては大変優れています。悪目立ちして絡まれたり、他人から笑われたりして恥ずかしい目に遭うような事態を避けられますからね。その代わり「本当はこうしたい」とか「私は悪くないのに」という気持ちを押し殺さなければなりません。
今まではそれでもよかったけど、子どもにも監督の指導方針を適用するようになり、このままじゃいけないと思うようになった。それが今の状況だと思うんです。じゃあ、どうするか。監督にはぜひとも退場していただきたい。でも長年つき添ってくれた監督を追い出すのは、パワーが必要だし難しいことですよね。
●心に「イーネくん」を住まわせる
だからそこで無理はせず、もう1人雇いましょう。その人の名は「イーネくん」。あなたが人目を気にせずに行動したいと思えたときや、子どもを抑制しそうな自分に待ったをかけることができたときに「イーネ!」と言ってくれる人です。
彼を心の中に住まわせて、常に意識するようにしてください。イーネくんのイメージはなんでもOKですが、せっかくなので好きなタレントさんやキャラクターのビジュアルに設定するとよいでしょう。
そしてたくさん「イーネ!」と言ってもらうために、やりたくても人目を気にして我慢していたことをどんどんやってください。その一歩を踏み出す勇気が出ないなら、この人みたいになりたい! と思えるすてきな人のマネをしてください。自由に生きた女性のノンフィクションを読んでみるのもいいですよ。自分を変えるのって、苦しんでやることじゃない。楽しんでチャレンジしているうちに、少しずつ変わっていけるんです。
イーネくんが「イーネ!」って言ってくれたらうれしいですよね。憧れの人にちょっとでも近づけたら、テンション上がりますよね。そんなふうに、ウキウキしながら新しい自分を目指してください。
そのうちに監督は「俺がいなくても生きていけるんだな」って気がついて自然と退場してくれます。楽しんで続けていれば、10年後にはきっとすっかり変わっていますよ。応援しています!