グリーンを家で楽しむ人が増えています。なかには、あえて枯れかけた植物を買って育てることを楽しむ人も。その楽しみ方と、ある日巻き起こった珍事とは?

読者が体験した、500円にまつわるほっこりするエピソードをご紹介します。

弱々しかった植物が元気に成長すれば勝ち!500円でできる、財布に優しいギャンブルです

500円の幸せ
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(東京都・42歳)

物置で眠っていたガラクタが、じつは歴史的価値のあるものだったというエピソードを耳にするたび、いい話だと思う。だれからも顧みられなかったものが、なにかのきっかけで輝きを取り戻すという展開にたとえようのないロマンを感じるのだ。

私自身は、そんなお宝とは無縁だが、植物についてだけはちょっと違う。最盛期を過ぎて枯れかけた植物が売られているのを見ると、どうしても手に取りたくなる。たいていは二束三文だから、大きく育てばもうけもの。時間はかかるが、財布にも優しい健全な“ギャンブル”だと思う。

500円でたたき売り!葉先が変色した観葉植物が、見違えるほど大きく成長

3年ほど前、スーパーの入り口で、まさにそんな私好みの、悲壮感漂う観葉植物に出合った。2000円近い元値に何重にも赤線が引かれ、わずか500円に。水がたりていないのか葉先が変色している。

迷わず購入したものの、当時は仕事が多忙で、植物どころか、自分自身の健康にも手が回らない状態だった。悩んだ揚げ句、私はこの子を実家に養子に出した。園芸上手な母の手にかかると、どんな植物も元気になるのだ。

その後、久しぶりに帰省したときのこと。玄関に見慣れぬ大きな観葉植物があった。「新顔?」と尋ねると、「あなたが送ってきたものよ」と母。

驚いた。歯抜けの小学生だったおいっ子が、たくましい高校球児に変貌したような感じだ。実家での成長は目覚ましく、何度も植え替えが必要だったらしい。やはり大切にされると命は再生するのだと実感した。

ある日、買った鉢に別の苗が紛れ込んでいて…!?

仕方がなかったとはいえ、育てる責任を放棄したことを反省し、それ以降は、あまり手のかからない多肉植物にはまっている。100円ショップのものでもけっこうきちんと育つ。
多肉に限らず、弱々しく見えるものが意外と丈夫だったりして、それを発見するのも楽しい。

先日も、お店でこんなやり取りをした。「お客さま、枯れかけていますので別のものとお取り替えを…」「いえ、これがいいんです!」。

持ち帰った鉢には別の苗も紛れ込んでいて、メインの植物より大きく育つという珍事が発生。これも“植物ギャンブラー”の醍醐味だ。