上野動物園の赤ちゃんパンダ・シャンシャンが一般公開され、その成長ぶりがたびたび報じられるなど、世はパンダフィーバー。パンダグッズも多数発売されています。
そんな人気者のパンダですが、じつは“残念な部分”がたくさんある動物でもあるってご存じでしたか?
ベストセラー『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』の著者で動物学者の今泉忠明さんに教えてもらいました。
じつは肉好き!?母乳は緑色!人気のパンダの残念な部分とは?
「皆さん、パンダは笹が好きだと思ってますよね。実際は、大昔に生存競争に敗れ山に追いやられたという残念な結果なのです。本来は肉好きなのに、腸内環境が笹に合わせ進化しているので、今は笹が主食というわけ」
もっともパンダの丸顔は、かたい笹を食べてあごの筋肉が発達したおかげ。肉食になったら、肉食獣のようにシャープな顔つきになってしまうかもしれないとか…。
笹は60年に一度花が咲いて枯れ、そのエリアの笹が全滅します。そのため、パンダは60年に一度食糧危機にさらされることに。
「そういうこともあり数が減って希少な動物となっているのに、縄張りがハッキリしているからほかのパンダと接触機会が少ないし、発情期も短いんです。そのうえ好みが激しく、『こいつじゃヤダ!』と子づくりしないこともしばしば。しかも、赤ちゃんは基本的に一匹しか生まないので、非常に生存本能が低いんです」
さらに母乳にも驚きの事実が。
「赤ちゃんが生まれてすぐに出る栄養たっぷりの母乳を“初乳”といい、哺乳類はたいていクリーム色をしていますが、パンダは緑色。おそらく笹のせいだと考えられていますが、初めて見ると飼育員もビックリします」
そんな、残念な一面や意外なところも、かわいく思えてしまうパンダって最強!?