調べ物の際に欠かせないインターネット検索。しかし、昨今のニュースなどでご存知のとおり、事実確認を軽視したり、噂レベルの不明瞭な根拠をもとにした記事が、ネットには氾濫しています。
信用にたりない記事は、広い分野で存在。フェイクニュースのようなものから、医療や健康、食品といった、ごく身近に関わりあるものにまで至っています。たとえば病気やケガをして、その対処法をネットで調べようとすると、正しい情報に行きつかないリスクが多分にあるのです。
では、どのようなことに気をつければよいのでしょうか? ネットで調べ物をして参考にする際の注意点を、ITジャーナリストの高橋暁子さんに教えてもらいました。
検索結果上位のサイトが正しいというわけではない!複数のソースで確認を
「大前提として心に留めておいてほしいのが、『検索画面の上位に表示された記事の内容が正しいわけではない』ということ。検索上位を狙って作為的にキーワードを盛り込んだ金もうけ目的のサイトほど、検索すると上位にくることがあるからです」
不確かな情報を載せたとして、社会的にも大問題になった医療系サイトでも同様の対策が。医療に関連したキーワードで検索すると、上位に入るようにさまざまな手を使っていました。
現在、検索サイト側も、正確な記事を掲載している信頼性の高いサイトを上位に表示させるべく、試行錯誤を続けています。しかしユーザー側は、検索して出てきたページが必ずしも「正解」ではないということを肝に銘じておくとよいでしょう。
公的なサイトを選び、著者もチェック。自分で問い合わせるのも有効
サイト名と発信者を必ずチェックし、信用度を自分で判断することも大切です。
「たとえば社会的なニュースなら新聞社や出版社のサイト。家事のコツなど情報を得るならメーカーや専門家のサイトを選ぶ…という具合です。また、制度や医療関係などを調べるときは、URLに政府機関のドメイン『go.jp』がついたサイトを見れば間違いありません」
医療についてなら医師や医療ジャーナリスト、薬剤師など、有識者や有資格者が書いているかどうかもひとつの指標になります。
そしてもっとも大切なのはネットだけではなく、さまざまなソース(情報の出どころ)を当たること。
「また、調べものをするときはネットだけに頼らず、直接自治体や企業に問い合わせてみるのも大事なこと。新たな情報やアドバイスを得られますよ」
図書館のデータベースや本、カタログや店舗の人、調べたいことを管轄する自治体やメーカーの問い合わせ先に電話すると、より正確な情報が得られます。
スマートフォンなどの普及もあって、ネットの情報に頼る機会は、今後ますます増えていくことになりそうです。結局のところ、オンラインでもオフラインでも情報の吟味は大切。なにごとも過信しないことです。